ホスホフルクトキナーゼ欠損症
概要
イングリッシュスプリンガースパニエルやコッカースパニエルの遺伝性酵素欠損症で、溶血性発作を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるホスホフルクトキナーゼ欠損症の臨床徴候は欠乏または過剰の栄養素により特異的パターンを示す。カルシウム不足: 骨軟化・病的骨折・痙攣・成長不良。ビタミンA不足: 眼疾患・皮膚角化異常・夜盲・繁殖障害。ビタミンC不足(モルモット): 関節腫脹・出血傾向・歯周病・成長不良。タンパク質-エネルギー欠乏: 削痩・筋萎縮・低アルブミン血症・浮腫。ビタミンD/UV-B不足(爬虫類): 代謝性骨疾患・骨軟化。
原因
常染色体劣性遺伝。イングリッシュスプリンガースパニエル・アメリカンコッカースパニエルに特異的。DNA検査(PFK-M遺伝子)でキャリア・罹患犬を同定可能。
病態生理
PFK-M(筋型ホスホフルクトキナーゼ)遺伝子変異→赤血球内のPFK活性低下→赤血球のATP産生低下→赤血球の脆弱化→アルカローシス(過換気時)で赤血球が溶血→発作性血管内溶血・ヘモグロビン尿。運動後・興奮後・過換気後にトリガー。筋症状は軽度。
診断
CBC/血液塗抹で再生性溶血性貧血(PCV低下、網赤血球増加)を確認。発作性の溶血クリーゼ。PFK酵素活性測定で低値を確認。遺伝子検査でPFK-M遺伝子変異を同定。運動・興奮・過換気後に暗色尿(ヘモグロビン尿/ミオグロビン尿)。筋障害でCK上昇。イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、コッカー・スパニエルに好発。常染色体劣性遺伝。
治療
【犬におけるホスホフルクトキナーゼ欠損症】 ホスホフルクトキナーゼ欠損症は犬における正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例は犬専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。
予防
DNA検査による繁殖管理(キャリア×キャリアの交配回避)。罹患犬は激しい運動・興奮の回避(溶血発作のトリガー)。
予後
犬におけるホスホフルクトキナーゼ欠損症の多くは原因栄養素不均衡の是正により良好予後。早期に適切な食事矯正とサプリメント補充開始で多くの臨床症状は可逆的。急性ビタミンC欠乏(モルモット壊血病)は補給開始後24-48時間で臨床改善開始。代謝性骨疾患(MBD): 早期介入で進行抑制可能だが、骨格異常の完全回復は困難。重度の慢性栄養失調による発達異常・臓器障害は不可逆的な場合あり。飼育者教育による再発防止が長期予後の鍵。
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