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犬 (Dog) その他 軽度

鼠径ヘルニア

Inguinal Hernia / 鼠径ヘルニア

概要

鼠径管を通じた腹腔内容の突出で、絞扼され緊急手術が必要になることがあります。

主な症状

無気力 触ると痛がる 腫れ・浮腫 嘔吐

原因

先天性(鼠径輪の開存)。ペキニーズ・バセットハウンド・ウエスティに好発。妊娠後期の雌犬(ホルモン性靭帯弛緩)。雄犬の鼠径ヘルニアは精索に沿って陰嚢ヘルニアに進展することがある。

病態生理

鼠径管を通じた腹腔内容(腸管・膀胱・子宮・大網)の突出→嵌頓(還納不能)→絞扼(血流遮断)→臓器壊死→腹膜炎。先天性(鼠径輪の閉鎖不全)と後天性(外傷・妊娠)に分類。未避妊雌犬に好発。

治療

外科的整復(inguinal herniorrhaphy)が標準治療。手術: 鼠径輪の閉鎖(non-absorbable suture)。 ヘルニア内容物の評価・整復: 大網、腸管、膀胱、子宮。 嵌頓ヘルニア(incarcerated) → 緊急手術。 腸管壊死 → 切除吻合(R&A)。子宮壊死 → 卵巣子宮摘出。 絞扼ヘルニア(strangulated) → 最緊急(血流遮断 → 壊死)。去勢/避妊同時実施を推奨(ホルモン関与 — 特に雌犬)。 未避妊雌犬のエストロゲン → 鼠径管弛緩。 妊娠子宮のヘルニア嵌頓は特に危険(胎児壊死 + 母体敗血症)。分類: 先天性(幼犬 — 鼠径輪の閉鎖不全)、後天性(外傷、肥満)。 還納性(reducible)vs 嵌頓性(incarcerated)の評価が重要。好発: 雌犬(雄の5-8倍)。ペキニーズ、バセンジー、コッカースパニエル。術後: 安静2-4週間。E-collar。運動制限。再発率低い(5%未満)。鑑別: 鼠径リンパ節腫大、脂肪腫、乳腺腫瘍(雌犬)。

予防

先天性の場合は小型の非嵌頓性でも外科的閉鎖が推奨(嵌頓のリスク回避)。避妊手術時に同時修復が効率的。

予後

予後は異常の種類と重症度により著しく異なる。軽度の形態異常は外科的矯正により正常な生活が可能であるが、重度の多臓器奇形では生存率が低い。早期診断と適切な介入により機能的予後を改善できる症例が多い。遺伝性疾患では進行性の経過をたどるものもあり、長期的なモニタリングと支持療法が生活の質の維持に重要である。

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