メタアルデヒド中毒(ナメクジ忌避剤)
概要
メタアルデヒドはナメクジ・カタツムリ忌避剤の有効成分。青緑色のペレットが犬を引き寄せる。摂取後30-60分以内に急性痙攣・振戦。筋活動亢進による高体温が主要な生命脅威。市販製品は3-6%メタアルデヒド含有。早期治療で予後良好。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます
臨床徴候
犬におけるメタアルデヒド中毒の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
ナメクジ・カタツムリ忌避剤のペレット(青緑色、3-6%メタアルデヒド含有)。庭先や保管容器から大量摂食。
病態生理
胃酸でメタアルデヒド→アセトアルデヒドに代謝。アセトアルデヒドがGABA・グリシン(抑制性神経伝達物質)を阻害し、グルタミン酸(興奮性)を活性化→運動神経抑制消失→持続的筋線維束攣縮・振戦・強直間代性痙攣。筋活動亢進→高体温(40-42°C)→脳・筋肉・肝障害。横紋筋融解症→ミオグロビン尿→二次性腎障害。
診断
病歴でナメクジ・カタツムリ駆除剤(メタアルデヒド)の摂取を確認。致死量100-250 mg/kg。全身性振戦・痙攣・高体温(>41℃)・頻脈が特徴的三徴。血液ガスで代謝性アシドーシス。血中/尿中メタアルデヒド検出(GC-MS)。ALT/AST上昇(肝障害: 24-72時間後)。ペレット状の嘔吐物。CBC/生化学で脱水、乳酸上昇。緊急痙攣管理(ジアゼパム→プロポフォール CRI)。
治療
緊急—即時治療(急速進行)。脱汚染(無症状+1時間以内のみ催吐)。メトカルバモール22-220 mg/kg IV緩徐投与(振戦の第一選択—呼吸抑制なし)→ジアゼパム0.5-1 mg/kg IV(痙攣)→プロポフォールCRI(難治例)。高体温管理(必須):積極的冷却+IV輸液。炭酸水素ナトリウム(アシドーシス補正+ミオグロビン尿アルカリ化)。
予防
ナメクジ忌避剤の犬がアクセスできない保管。植物の直下に少量散布(散布しない)。犬の庭へのアクセスがある場合は代替手段(ビールトラップ・銅テープ)を検討。
予後
早期治療で良好。痙攣制御+高体温防止で24-48時間以内に回復が多い。高体温持続(>41°C)遅発治療では慎重(脳・筋肉・腎障害が不可逆的になりうる)。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
神経の他の疾患(犬)
VetDictで犬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。