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犬 (Dog) 筋骨格 軽度

膝蓋骨脱臼(パテラ)

Patellar Luxation / 膝蓋骨脱臼(パテラ)

概要

膝蓋骨が滑車溝から内側(MPL、小型犬に多い)または外側(LPL、大型犬に多い)に脱臼する疾患。小型犬で最も多い整形外科疾患の一つ。チワワ、ポメラニアン、トイプードル、ヨークシャーテリア、マルチーズに好発。Grade 1〜4に分類。

主な症状

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臨床徴候

犬における膝蓋骨脱臼(パテラ)の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。

原因

先天性・発達性(多因子遺伝、最多)。稀に外傷性。内側脱臼(MPL)が小型犬の90%を占め、両側性が50%。外側脱臼(LPL)は大型犬に多い。

病態生理

大腿骨滑車溝の浅小化→膝蓋骨の不安定性→脱臼の反復。脱臼に伴い大腿四頭筋のアライメント異常→脛骨内旋→さらなる脱臼の促進と関節軟骨の摩耗→二次性変形性関節症。Grade 3〜4では恒常的脱臼→持続的跛行・骨変形。前十字靭帯断裂の併発リスクも高い。

診断

犬の膝蓋骨脱臼の診断は触診で確定する。触診: 膝蓋骨の手動的内方/外方変位、自然復位の有無を評価。Putnamグレーディング: Grade I — 用手的に脱臼するが自然復位。Grade II — 用手的脱臼+自然脱臼するが容易に復位。Grade III — 常時脱臼、用手的に復位可能。Grade IV — 常時脱臼、復位不能。X線: 大腿骨滑車溝の深さ、脛骨粗面の偏位(脛骨回旋)、骨関節症の評価。CT: 大腿骨/脛骨の捻転角度測定(手術計画)。内方脱臼が犬で圧倒的多数(90%以上)。好発: トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリア。小型犬に多い。大型犬では外方脱臼も発生。Grade II以上で手術検討、CrCL断裂の合併に注意。

治療

Grade 1:保存療法(体重管理、関節サプリメント、滑り止め床)で経過観察;手術はまれ。Grade 2:進行性跛行/疼痛で手術推奨。Grade 2〜4:外科矯正—滑車溝形成術(骨ブロック陥凹術が軟骨保護の点で優先)+内側縫縮/外側解放+脛骨粗面転位術(TTT);Grade 3〜4は重篤な捻転に対して脛骨/大腿骨矯正骨切りも必要な場合がある。前十字靭帯断裂合併:TPLO優先。術後:6〜8週の厳格な安静→漸進的リハビリ(受動的ROM→補助歩行→水泳3〜8週)。NSAIDs周術期(カルプロフェン4.4 mg/kg SID 7〜14日);ガバペンチン5〜10 mg/kg BID(神経障害性疼痛成分)。両側性:6〜8週間隔で段階的手術。

予防

罹患犬の繁殖制限。体重管理。好発犬種の子犬での滑り止め床の使用。成長期の過度なジャンプを避ける。

予後

Grade 1〜2:保存療法または早期手術で優良(>90%成功)。Grade 3〜4:外科治療で良好〜優良(85〜90%が正常機能に回復);再脱臼率10〜15%;前十字靭帯断裂合併例は追加TPLO手術が必要。進行したGradeでは長期OA管理が必要。両側性例を段階的に管理した場合の成績は片側性と同等。

関連する薬品

💊 ガバペンチン 💊 グルコサミン・コンドロイチン

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