← トップへ戻る
犬 (Dog) 筋骨格 軽度

レッグ・カルベ・ペルテス病

Legg-Calve-Perthes Disease / レッグ・カルベ・ペルテス病

概要

若齢小型犬(4〜11ヶ月齢)の大腿骨頭の無腐性壊死。進行性股関節痛・跛行・大腿骨頭崩壊を引き起こす。片側性が大半。大腿骨頭頸部切除術(FHNE)が根治的。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます

臨床徴候

犬におけるレッグ・カルベ・ペルテス病の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。

原因

原因不明。遺伝的素因あり。好発犬種:トイプードル、ミニチュアピンシャー、ヨークシャーテリア、WHWT、ケアーンテリア、パグ、チワワ。発症月齢:4〜11ヶ月。通常片側性(10〜15%両側性)。

病態生理

大腿骨頭への血流障害→軟骨下骨の無腐性壊死→大腿骨頭の崩壊・変形→股関節の不整合→二次性OA・慢性疼痛。虚血の原因は不明(遺伝的血管異常が疑われる)。手術なしでもリモデリングは起こるが永続的変形が残る。

診断

X線(VD view)で大腿骨頭の不整・骨透亮・扁平化を確認。初期は微細な骨密度低下のみ。CT/MRIで大腿骨頭の虚血性壊死の範囲と関節適合性を評価。触診で股関節の疼痛・可動域制限・クレピタスを確認。ROM測定。小型犬(ヨークシャー・テリア、ミニチュア・プードル、ウエスティ)の成長期(4-12ヶ月)に好発。大腿骨頭切除術。

治療

外科的:大腿骨頭頸部切除術(FHNE)が根治的治療。大腿骨頭・頸部を完全切除し骨同士の接触による疼痛を除去。周囲筋肉による偽関節(false joint)が形成される。小型犬(<10 kg)での成績は優良:集中的理学療法で85〜95%がほぼ正常機能に回復。より大きな小型犬では人工股関節(THR)も選択肢。術後リハビリ(予後に決定的):術翌日から歩行促進、受動的ROM運動1日2回、水中トレッドミル/水泳2週目〜、陸上漸進運動3〜8週、3〜4ヶ月で全機能回復。NSAIDs:カルプロフェン4.4 mg/kg SID(7〜14日)。ガバペンチン5〜10 mg/kg BID(術後神経障害性疼痛)。保存療法(初期Stage I〜II、手術待機中):厳格な安静・NSAIDs・鎮痛—単独では根治しない(手術待機中の橋渡しとして使用)。

予防

繁殖管理:罹患犬を繁殖から除外(遺伝的要因)。環境的予防法はない。跛行を示す小型子犬(3〜12ヶ月)の早期受診が早期診断と最適な手術時期の確保に重要。

予後

FHNE+集中的リハビリで<10 kgの犬は85〜95%がほぼ正常機能に回復。体重が大きい場合は残存する跛行あり(THRが優先)。手術なし:大腿骨頭の永続的変形→慢性疼痛→長期的なQOL不良。手術遅延は筋萎縮を進行させ回復を困難にする。

関連する薬品

💊 メロキシカム 💊 ガバペンチン 💊 グルコサミン・コンドロイチン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

筋骨格の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

変形性関節症 (共通5症状) 股関節形成不全 (共通5症状) レッグ・ペルテス病 (共通5症状) ウォブラー症候群(頸椎脊髄症) (共通5症状) 腸腰筋損傷 (共通5症状) 線維性ミオパチー (共通5症状) 頸椎脊椎脊髄症(椎間板関連型) (共通5症状) 大腿四頭筋拘縮 (共通5症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。