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犬 (Dog) 循環器 緊急

ニコチン中毒

Nicotine Toxicosis / ニコチン中毒

概要

タバコ製品・ニコチンパッチ/ガム・電子タバコ液(最高濃度リスク)によるニコチン中毒。急速に吸収され、15〜90分以内に臨床症状が現れる。毒性量:0.5〜1 mg/kg(軽度)、>2 mg/kg(重度)。電子タバコ補充液(36〜54 mg/mL)は非常に高濃度で危険。二相性CNS反応:初期興奮(頻脈・高血圧・けいれん)→その後抑制(徐脈・呼吸抑制・呼吸不全による死亡)。

主な症状

虚脱・失神 過度のパンティング 無気力 痙攣 嘔吐

原因

電子タバコ液/補充液(最高リスク:0.36〜54 mg/mLニコチン—小型犬では1 mLが致死的になりうる)、紙巻きタバコ(約9〜30 mg/本)、葉巻(15〜40 mg)、噛みタバコ(6〜8 mg/g)、ニコチンガム(2〜4 mg/粒)、ニコチンパッチ(7〜22 mg/枚、徐放性だが依然として毒性あり)、ニコチンロゼンジ。電子タバコカートリッジへの子供の誤アクセスや、成人が届く場所にガムを置いたまま。

病態生理

ニコチン→ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)作動薬→初期:自律神経節・神経筋接合部での刺激(頻脈・高血圧・筋振戦・けいれん)→高用量では脱分極ブロック(徐脈・低血圧・筋麻痺・呼吸不全)。GI吸収は迅速;パッチからの経皮吸収も起こる。犬での半減期は約1時間;肝臓で代謝。

治療

緊急GI除染(摂取後30〜60分以内、犬が意識明瞭):アポモルヒネ0.03 mg/kg IV(すでにけいれんまたはCNS抑制の場合は使用しない)→活性炭1〜3 g/kg PO(ニコチンの吸着に有効—パッチ/大量摂取では4〜6時間毎に反復)。パッチ暴露の場合は皮膚を徹底的に洗浄。けいれん管理:ジアゼパム0.5〜1 mg/kg IV(3回まで)→難治性の場合はフェノバルビタール2〜4 mg/kg IV→重積状態にはプロポフォールCRI。心血管:症候性徐脈にアトロピン0.02〜0.04 mg/kg IV(逆説的—抗コリン薬がニコチン性ブロックに有効);初期頻脈にはアトロピンを使用しない。IV輸液(LRS 2〜4 mL/kg/h)心血管サポート;難治性低血圧にはバソプレッサー(ドーパミン5〜10 μg/kg/分)。呼吸サポート:O2補充;呼吸不全には挿管+機械換気。振戦/筋硬直にはメトカルバモール22〜44 mg/kg IV。支持療法:用量と製品タイプに応じて6〜24時間モニタリング(パッチは徐放のためより長いモニタリングが必要)。制吐薬(マロピタント1 mg/kg SC)。特異的解毒剤なし。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化 • Relax & CBD (フルスペクトラムCBD): 慢性疼痛・不安・難治性てんかん・緩和ケア ※Relax & CBD: 肝代謝(CYP450)薬物相互作用に注意

予防

全てのタバコ製品とニコチン代替療法(ガム・パッチ・ロゼンジ)をペットの届かない場所に保管。電子タバコカートリッジ/補充液は子供/ペット防止容器に。家族全員への教育。使用済みパッチは安全に廃棄(まだ相当量のニコチンが残存している)。

予後

軽度摂取(<0.5 mg/kg):GI除染とモニタリングで良好。中等度(0.5〜2 mg/kg):慎重—入院と支持療法が必要。重度(>2 mg/kg、特に電子タバコ液):不良—1〜4時間以内の急速な呼吸不全リスク。電子タバコ液摂取(少量でも)は即時の獣医評価が必要—非常に高濃度。治療開始までの時間が決定的。

関連する薬品

💊 プロポフォール 💊 フェノバルビタール 💊 モルヒネ 💊 アトロピン 💊 メトカルバモール 💊 ドパミン

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

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