三尖弁形成不全
概要
三尖弁の先天性奇形で右心不全を引き起こし、ラブラドールレトリバーに多く見られます。
主な症状
原因
先天性。ラブラドールレトリーバー(最も好発)、ジャーマンシェパード、ゴールデンに報告。子犬の心雑音(右心尖部、全収縮期雑音)で発見。心エコーで確定診断。
病態生理
三尖弁尖の形成異常(肥厚・短縮・腱索異常)→三尖弁逆流→右房拡大→右心不全→腹水・頸静脈怒張。重症例ではEbstein奇形様の弁の下方変位。右房拡大→上室性不整脈(心房細動)を高率に合併。
治療
【三尖弁異形成の治療】■好発犬種: ラブラドールレトリーバー、ジャーマンシェパード、グレートデーン、ワイマラナー、オールドイングリッシュシープドッグ。■診断: 心エコー(三尖弁逆流、右房・右室拡大)。ドプラ検査。心電図(右軸偏位、上室性不整脈)。■治療: 軽度: モニタリングのみ。中等度-重度: フロセミド 1-4 mg/kg PO q12h(右心不全時)。ACE阻害薬。ジゴキシン 0.005 mg/kg PO q12h(上室性不整脈)。ソタロール(心室性不整脈)。腹水穿刺(重度右心不全)。■ドッグショーへの影響: ショーラインでのスクリーニング推奨(心エコー)。軽度は外見上正常でショー参加可能。繁殖計画での心臓スクリーニング必須。■サプリメント: タウリン。ω-3脂肪酸。CoQ10。■参考文献: Bonagura 2000; Oyama 2015。■予後: 軽度—良好。中等度—管理可能。重度—予後不良(右心不全進行)。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化
予防
好発犬種の心臓聴診スクリーニング(繁殖前)。罹患犬の繁殖制限。軽度は経過観察、重度は利尿薬+ACE阻害薬で心不全管理。
予後
予後は異常の種類と重症度により著しく異なる。軽度の形態異常は外科的矯正により正常な生活が可能であるが、重度の多臓器奇形では生存率が低い。早期診断と適切な介入により機能的予後を改善できる症例が多い。遺伝性疾患では進行性の経過をたどるものもあり、長期的なモニタリングと支持療法が生活の質の維持に重要である。
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