チョコレート中毒
概要
チョコレート中のテオブロミン・カフェイン(メチルキサンチン)中毒。重症度はチョコレートの種類と体重に対する摂取量による。ダークチョコ(130〜450 mg/oz)>>ミルクチョコ(44〜58 mg/oz)>>ホワイトチョコ(<0.1 mg/oz)。毒性閾値:>20 mg/kg(軽度GI症状);>60 mg/kg(心臓不整脈・CNS);>100 mg/kg(生命危機)。犬のテオブロミン半減期は17.5時間—長期毒性に注意。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるチョコレート中毒の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
チョコレート製品のテオブロミン/カフェイン。最高リスク:製菓用/無糖チョコ(100%カカオ、130〜450 mg/oz)、ダークチョコ(>70%、130〜160 mg/oz)、cocoa粉末(400〜737 mg/oz)。中リスク:セミスイートチップ・ミルクチョコ(44〜58 mg/oz)。低リスク:ホワイトチョコ(<0.1 mg/oz—テオブロミンほぼなし)。小型犬はダークチョコ小片で中毒量に達しうる。
病態生理
テオブロミン・カフェイン→ホスホジエステラーゼ阻害(cAMP上昇)+アデノシン受容体拮抗→心臓:洞頻脈・心室性期外収縮(VPC)・心室頻拍(突然死リスク);CNS:興奮・筋振戦・けいれん;平滑筋弛緩:嘔吐・下痢;腎血管拡張:多尿。テオブロミンは腸肝循環を受けるため毒性が長引く(半減期17.5時間)。心臓不整脈が重症例の主な死因。
診断
チョコレート摂取歴+興奮、振戦、頻脈、多尿、嘔吐、下痢。テオブロミン中毒量: 20mg/kg(軽度)、40-60mg/kg(重度心血管症状)、>100mg/kg(致死量)。ダークチョコ: 15mg/g、ミルクチョコ: 1.5-2mg/g、ホワイト: 0.01mg/g。心電図: 頻脈性不整脈(VPC、VT)。血清テオブロミン定量(確定だが結果に時間要)。CBC/生化学、尿検査。活性炭投与のタイミング評価(摂取後2-4時間以内)。
治療
消化管除染(摂取後2〜4時間以内、意識明瞭、心臓症状なし):アポモルヒネ0.03 mg/kg IV→活性炭1〜3 g/kg PO 6〜8時間毎×2〜3回(テオブロミンは腸肝循環を受けるため活性炭反復投与が重要)。IV輸液(LRS 2〜4 mL/kg/h):脱水補正・尿中排泄促進。心臓不整脈:リドカイン2〜4 mg/kg IV→25〜75 μg/kg/分CRI(VT持続時);プロプラノロール0.02〜0.06 mg/kg IV。けいれん:ジアゼパム0.5〜1 mg/kg IV→フェノバルビタール2〜4 mg/kg IV。筋振戦:メトカルバモール22〜44 mg/kg IV。制吐:マロピタント1 mg/kg SC。>40 mg/kg用量では最低24〜36時間入院。特異的解毒剤なし。
予防
チョコレート製品(製菓用チョコ・cocoa粉末含む)への全アクセス遮断。家族全員(特に子供)への教育。バレンタイン・イースター・ハロウィン・クリスマスは特に注意。ペット防止容器に保管。カカオマルチ(園芸コンポスト)も高テオブロミン—庭へのアクセス制限。
予後
軽度(テオブロミン<20 mg/kg):優良—24〜48時間でGI症状消失。中等度(20〜60 mg/kg):早期除染+活性炭反復投与で良好。重度(>60 mg/kg、心臓不整脈):慎重—VTによる突然死リスク。大量摂取(>100〜200 mg/kg、製菓チョコ/cocoa):積極的心臓管理なしでは不良。小型犬のダークチョコ/製菓チョコ摂取が最高リスク。
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