肺葉硬化
概要
重度の感染や炎症による肺組織の空気が液体、膿、細胞浸潤で置換された状態です。
主な症状
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臨床徴候
犬における肺葉硬化の臨床徴候は気道閉塞・換気障害の部位により異なる。上気道: いびき・吸気性ストライダー・運動不耐性・吸気性チアノーゼ(短頭種気道症候群)。気管: 短く乾性の発作的咳(gander-honk)・ストライダー(気管虚脱)。下気道: 慢性咳・呼気性呼吸困難・喘鳴・換気不全(喘息・COPD様病態)。突発的悪化はストレス・運動・気温変化で誘発される。
原因
細菌性肺炎(最多)、誤嚥性肺炎、肺膿瘍、肺出血(凝固障害・肺虫症)、肺腫瘍。不応性肺炎で肺葉切除が必要になることがある。
病態生理
肺胞内に炎症性滲出液(細菌性肺炎)・膿(肺膿瘍)・血液(肺出血)・腫瘍細胞が充満→肺胞のガス交換能の喪失→低酸素血症。X線で均一な不透過性(肺葉パターン:air bronchogram陽性)。重症細菌性肺炎・誤嚥性肺炎で最も一般的。
診断
胸部X線で肺葉の均一な軟部組織濃度(air bronchogram陽性)を確認。CTで硬化肺葉の範囲・気管支内異物・腫瘤を三次元評価。BAL/経気管吸引で細菌培養+感受性。細胞診で感染性/腫瘍性/炎症性を鑑別。CBC/CRPで全身性炎症反応を評価。原因: 吸引性肺炎(最多)、細菌性肺炎、肺葉捻転、腫瘍。抗生剤療法or肺葉切除。
治療
基礎疾患の治療が最優先。感染性(細菌性肺炎、肺膿瘍):培養感受性に基づく抗菌薬(エンピリック:アモキシシリン/クラブラン酸 20 mg/kg PO q12h+エンロフロキサシン 5 mg/kg PO q24h、嫌気性菌カバーにメトロニダゾール 10-15 mg/kg PO q12h追加)。気管支肺胞洗浄(BAL)で培養+細胞診。腫瘍性:CT/PETで原発巣・転移評価→肺葉切除(lobectomy)。不応性の感染性硬化も肺葉切除適応。術前CT(3D再構成)で血管・気管支解剖の評価。酸素投与(低酸素血症時)。Ref: Dear 2014, Johnson & Hoenig 2006.
予防
肺炎の早期適切な治療。培養に基づく抗菌薬選択。不応性硬化の場合は肺葉切除を検討。
予後
犬における肺葉硬化の予後は気道・肺病変の部位と重症度、基礎疾患により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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