シスチン尿症
概要
腎尿細管でのシスチン再吸収障害による遺伝性疾患。尿中シスチン濃度上昇→シスチン結石形成。ニューファンドランド、イングリッシュブルドッグ、ダックスフンド、マスティフ、バセットハウンドに好発。雄に多い。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるシスチン尿症の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
常染色体劣性遺伝(Type I:ニューファンドランド等)、常染色体優性遺伝(Type II-A/B:ミニチュアピンシャー等)。SLC3A1またはSLC7A9遺伝子変異が原因。
病態生理
腎近位尿細管のアミノ酸トランスポーター(SLC3A1/SLC7A9)の遺伝子変異→シスチン再吸収障害→尿中シスチン過排泄→酸性尿中でシスチン結晶化→結石形成。シスチンは全アミノ酸中で最も溶解度が低い。
診断
犬のシスチン尿症の診断は尿検査と結石分析に基づく。尿沈渣: 六角形のシスチン結晶が特徴的(病的意義あり — 正常尿には出現しない)。シアン化ニトロプルシド試験(尿中シスチンスクリーニング): 陽性(紫色変色)。定量的アミノ酸分析(尿): シスチン排泄量の測定。画像検査: X線でシスチン結石は軽度不透過性(見逃しやすい)。超音波がより感度高い。結石分析(赤外分光法): 外科的摘出後の確定。尿pH: 酸性(シスチンはpH<7で溶解度低下)。遺伝子検査: SLC3A1、SLC7A9変異(犬種により異なる遺伝パターン)。好発: ニューファンドランド、ラブラドール、スコティッシュディアハウンド、バセットハウンド、ブルドッグ、ダックスフンド。雄犬に臨床症状多い(尿道結石)。
治療
尿アルカリ化(クエン酸カリウム 75mg/kg BID)→シスチン溶解度上昇。チオプロニン(2-MPG、15〜20mg/kg BID)→シスチンをより可溶性の化合物に変換。低タンパク食+十分な飲水。大結石は外科的摘出(膀胱切開術)。尿道閉塞時は緊急カテーテル処置。
予防
遺伝子検査による繁殖管理。低タンパク食、十分な飲水、尿アルカリ化。定期的な尿検査・画像検査でモニタリング。
予後
生涯にわたる管理が必要。チオプロニン投与で再発率を大幅に低減可能。遺伝子検査で繁殖管理が推奨される。
関連する薬品
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