バセンジー型ファンコニ症候群
概要
バセンジーの遺伝性近位尿細管機能障害で、糖尿・アミノ酸尿・電解質喪失を引き起こします。
主な症状
原因
代謝経路の酵素異常、ホルモン分泌の失調、主要臓器の機能障害により体内の恒常性が破綻する。内分泌腺の腫瘍性・免疫介在性破壊、遺伝性酵素欠損、加齢に伴う臓器予備能の低下が主要な原因因子である。肝臓・腎臓・膵臓・甲状腺・副腎の機能異常は全身の代謝に広範な影響を及ぼし、多臓器にわたる二次的障害を生じさせる。
病態生理
代謝性疾患の病態生理はホルモン分泌異常または代謝酵素活性の変化による恒常性の破綻である。糖尿病ではインスリン欠乏/抵抗性により高血糖・糖尿病性ケトアシドーシスが生じる。甲状腺機能��進症ではT4過剰により全身の代謝率が上昇し、心血管系への負荷が増大する。副腎皮質機能亢進症ではコルチゾール過剰が蛋白異化、脂肪再分布、免疫抑制、多飲多尿を引き起こす。
治療
重炭酸ナトリウム補充が治療の中心(代謝性アシドーシス補正):初期用量 重炭酸Na 8-12 mEq/kg/日 PO 分3-4回、血液ガス/静脈血CO2に基づき調整。電解質補充:K+(塩化カリウム 1-2 mEq/kg/日 PO、低K時)、Na+、リン。グルコース尿(尿試験紙陽性だが血糖正常 — 近位尿細管機能障害の特徴)。腎臓食。十分な飲水確保(多尿による脱水予防)。ビタミンD補充(1,25(OH)2D3 欠乏時)。進行時はCKD管理に移行(ACE阻害薬、リン吸着剤)。好発:バセンジー(常染色体優性+不完全浸透)。遺伝子検査(FAN1変異)で繁殖管理。定期的な血液ガス・電解質・BUN/Cre モニタリング。Ref: Yearley et al. 2004, Noonan & Kay 1990.
予防
定期的な健康診断(血液化学検査・ホルモン検査)による早期発見が最重要である。適正体重の維持、バランスの取れた食事管理、適度な運動が代謝性疾患のリスク低減に寄与する。遺伝的素因を持つ品種では若年期からのスクリーニング検査を推奨する。糖尿病予防には肥満回避と高繊維食が有効であり、内分泌疾患では早期の診断と治療開始が合併症予防に直結する。
予後
予後は疾患の種類、診断時の重症度、合併症の有無、治療への反応性に依存する。多くの内分泌・代謝疾患は適切なホルモン補充療法や食事管理により長期的なコントロールが可能である。ケトアシドーシスや高カルシウム血症クリーゼなどの急性代謝緊急症では迅速な治療介入が生存を左右する。慢性的な管理が必要な疾患では飼い主のコンプライアンスが予後に大きく影響する。
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