膀胱腫瘍(移行上皮癌)
概要
犬で最も一般的な膀胱腫瘍で、血尿と排尿困難を引き起こし、スコティッシュテリアに好発します。
主な症状
原因
環境因子(除草剤・殺虫剤曝露)、遺伝的素因。スコティッシュテリア(リスク18倍)に最も好発。雌犬・肥満犬に多い。中高齢犬。
病態生理
膀胱移行上皮の悪性増殖→膀胱三角部に好発(尿管口を巻き込みやすい→水腎症)。BRAF V595E変異が犬TCCの約80%で検出→尿中BRAF変異検出が早期診断マーカー。NSAIDs(ピロキシカム)がCOX-2阻害を介して腫瘍増殖を抑制。
治療
ピロキシカム(0.3 mg/kg PO q24h)がCOX-2阻害による第一選択内科治療。ミトキサントロン(5 mg/m² IV q21d)+ピロキシカム併用プロトコルで奏効率約35%。ビンブラスチン(3 mg/m² IV q14d)+ピロキシカムも有効な代替レジメン。尿道閉塞時は金属ステント留置で排尿機能を維持しQOLを改善。BRAF V595E変異検出(尿中腫瘍細胞のPCR)で非侵襲的確定診断が可能。膀胱三角部に好発するため外科的完全切除は困難。トセラニブ(Palladia)も腫瘍縮小効果あり。好発:スコティッシュテリア(18倍)、ウエストハイランドホワイトテリア、ビーグル。定期腹部エコーで腫瘍サイズ・水腎症のモニタリング。
予防
除草剤曝露の回避(散歩後の足洗浄)。スコティッシュテリアのスクリーニング(尿検査・BRAF変異・膀胱エコー)。ピロキシカム/メロキシカム+化学療法(ミトキサントロン/ビンブラスチン)。
予後
予後は腫瘍の種類、組織学的悪性度、臨床ステージ、転移の有無、治療への反応性により大きく異なる。良性腫瘍は完全切除により治癒が期待できるが、悪性腫瘍では早期発見・早期介入が生存期間を有意に延長させる。不完全切除例や高悪性度腫瘍では再発・転移のリスクが高く、定期的な経過観察と追加治療の検討が必要である。
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