ファンコニ症候群
概要
腎尿細管の障害により必須栄養素が尿中に喪失する疾患で、バセンジーに多いです。
主な症状
原因
必須栄養素の欠乏または過剰摂取が原因であり、不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚疾患、神経障害など多彩な臨床症状を引き起こす。種特異的な栄養要求量の無視が主因となる。
病態生理
栄養性疾患の病態生理は必須栄養素の不足による生化学的経路の障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収が促進され、骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミンが関与する酵素反応の障害をもたらし、特異的な臨床症候群を引き起こす。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、免疫機能低下、創傷治癒遅延が生じる。
治療
重炭酸ナトリウム経口補充が最重要治療で、尿中への重炭酸喪失による代謝性アシドーシスを補正。用量は静脈血液ガスのBase Excessに基づき個別調整(TCO2 12-18 mEq/L目標)。カリウム、リン、アミノ酸、ビタミンDなど尿中喪失電解質を個別補充。十分な飲水確保(脱水予防)と腎臓病用処方食。月1回の電解質・血液ガス・尿検査でモニタリング。好発:バセンジー(常染色体ファンコニー変異 — 遺伝子検査で繁殖管理可能)。後天性はゲンタマイシン、テトラサイクリン等の薬剤性を鑑別。CKD進行を遅延させるためACE阻害薬(ベナゼプリル0.5 mg/kg PO q24h)併用検討。
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
栄養性疾患の多くは原因となる栄養不均衡の是正により良好な予後が期待できる。早期に適切な食事矯正とサプリメント補充が開始されれば、多くの臨床症状は可逆的である。しかし成長期の骨格変形や重度の神経障害など、長期の栄養欠乏により不可逆的な構造変化が生じた場合は完全な回復が困難である。継続的な栄養モニタリングと食事管理が再発防止に不可欠である。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
泌尿器の他の疾患(犬)
VetDictで犬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。