犬原発性繊毛運動不全症(犬種特異性)
概要
遺伝性繊毛運動障害で、慢性副鼻腔炎・気管支拡張症・時に内臓逆位を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬原発性繊毛運動不全症(犬種特異性)の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。
原因
犬原発性繊毛運動不全症(犬種特異性)の原因はネフロンの進行性損傷、尿路の閉塞・感染、または特発性の下部尿路炎症反応である。加齢、慢性脱水、腎毒性物質曝露(NSAID・抗凍液・ユリ・特定の抗菌薬)、全身性高血圧、糖尿病性腎症、免疫複合体性糸球体腎炎、遺伝性腎構造異常、ストレス関連の神経内分泌障害が主要リスク因子。早期は無症候性に進行するため、定期的な腎機能スクリーニング(SDMA・尿比重・尿蛋白)が重要となる。
病態生理
犬の犬原発性繊毛運動不全症(犬種特異性)は臨床的に重要な疾患で、細菌(Pasteurella, Bordetella, Streptococcus等)、ウイルス(パラインフルエンザ、アデノウイルス等)、または真菌の気道への感染が原因である。環境ストレス(温度変動。病態の進行は原因と宿主の免疫状態に依存する。早期発見・早期治療が予後改善の鍵。
診断
犬原発性繊毛運動不全症(PCD/カルタゲナー症候群)の診断は内臓逆位(約50%で合併)+慢性鼻炎+気管支拡張の三徴から疑う。鼻腔/気管粘膜の繊毛生検を電子顕微鏡で評価(外腕ダイニン欠損等の微細構造異常)。ビデオ顕微鏡で繊毛運動パターン分析。胸部X線/CTで気管支拡張・慢性気管支肺炎を確認。胸腹部X線で内臓逆位を確認。鼻サッカリン試験(粘液線毛クリアランス低下)。好発犬種:ダルメシアン、イングリッシュ・セッター、ビション・フリーゼ。常染色体劣性遺伝。鑑別:免疫不全症、慢性感染性鼻炎。管理:定期的な気道クリアランス療法。
治療
原発性線毛運動不全症(犬種特異型):根治不可。生涯管理。ネブライザー療法(生食 q8-12h×15-20分)+クーパジュ(胸壁叩打 q8-12h)。呼吸器感染時→培養感受性に基づく抗菌薬。慢性鼻副鼻腔炎は持続的管理。内臓逆位(Kartagener症候群)合併例あり。不妊の可能性。(Clercx & Peeters, Vet J 2007)
予防
犬原発性繊毛運動不全症(犬種特異性)の予防は腎機能の早期スクリーニングと環境管理が中心。定期的健康診断(7歳以上は年1回、10歳以上は半年に1回)でクレアチニン・SDMA・尿比重・尿蛋白・血圧を評価。水分摂取量増加(ウェットフード・循環式給水器)、腎毒性物質(NSAID過量・抗凍液・ユリ・特定抗菌薬)の管理。FLUTD予防: ストレス軽減・低マグネシウム食・複数トイレ提供。歯科ケアによる細菌の腎播種予防。
予後
犬原発性繊毛運動不全症の予後は腎機能・尿路病変の重症度と進行速度により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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