犬慢性潰瘍性口内炎
概要
歯垢との接触により誘発される重度の免疫介在性口腔粘膜潰瘍です。
主な症状
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臨床徴候
犬慢性潰瘍性口内炎の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
歯垢抗原に対するIV型過敏反応が主因。特定の犬種好発はないが、マルチーズ・キャバリアに報告あり。歯垢除去で一時改善するが再発率が高い。確定診断は口腔粘膜の生検(界面皮膚炎パターン)。
病態生理
歯垢中の細菌抗原に対する過剰な免疫反応→口腔粘膜(特に歯と接触する頬粘膜・舌背)の激しい潰瘍形成→「kissing ulcers」(歯冠に接する粘膜面の対称性潰瘍)が特徴的。猫の慢性歯肉口内炎(FCGS)の犬版。極度の疼痛→摂食拒否→体重減少。
診断
口腔内検査で歯肉・頬粘膜・舌の慢性潰瘍を確認。特に歯牙接触部位(kissing lesions)。全顎歯科X線で歯周病・歯根吸収の程度を評価。生検で組織球性/リンパ球性炎症を確認。免疫組織化学で自己免疫性を評価。培養で感染性を除外。血液検査で全身性疾患を精査。CCUS特異的:歯垢抗原に対する過剰免疫反応。全臼歯抜歯が根治療法。80%が著明改善。
治療
犬における犬慢性潰瘍性口内炎の治療には鎮静または麻酔下での歯科検査が必要である。不正咬合は種と重症度に応じて歯のトリミング、研磨、抜歯が必要となる。根尖膿瘍には排膿、デブリードマン、全身性抗菌薬が必要である。歯周病治療にはスケーリング、研磨、重度罹患歯の抜歯を含む。種に適した鎮痛薬による疼痛管理が不可欠である。食事の調整により回復を促進し再発を予防する。
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予防
歯垢コントロール(毎日の歯磨き・定期的なスケーリング)。免疫抑制療法(シクロスポリン・プレドニゾロン)。不応性の場合は全臼歯抜歯(猫FCGSと同様のアプローチ)。
予後
犬慢性潰瘍性口内炎の予後は基礎病態・治療時期・併存疾患により異なる。早期診断と適切な治療介入により多くの症例で良好な予後が期待される。継続的なモニタリングと飼育環境管理が長期予後改善に重要である。重症例・進行例・基礎疾患合併例では予後が悪化することがある。
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