環軸椎亜脱臼
概要
環椎(C1)と軸椎(C2)間の先天性靭帯欠損+歯突起低形成→頸部屈曲で上位頸髄圧迫→頸部激痛〜四肢麻痺〜呼吸停止。トイ犬種に多い。軽度のジャンプでも急性増悪リスク。
主な症状
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臨床徴候
犬における環軸椎亜脱臼の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。
原因
先天性歯突起低形成/無形成+靭帯不全(トイ犬種)、外傷性環軸椎亜脱臼(全犬種)、潜在性不安定性の急性増悪。
病態生理
環椎(C1)と軸椎(C2)間の靭帯(横靭帯・歯突起靭帯)の先天的欠損/不全+歯突起の低形成/無形成→環軸椎間の不安定性→頸部屈曲時に軸椎の背側偏位→上位頸髄の圧迫→頸部激痛〜四肢不全麻痺〜呼吸停止(重度)。外傷(軽度のジャンプ・落下でも)で急性増悪のリスク。
診断
頸部X線(ラテラル)で環椎-軸椎間の間隙拡大と歯突起の欠如/低形成を確認。CT三次元再構成で歯突起の形態異常と環椎の位置関係を評価。MRIで脊髄圧迫と脊髄病変(T2高信号)を確認。CSFは通常正常。小型犬(ヨークシャー・テリア、チワワ、トイプードル)に好発。先天性。頸部疼痛+四肢不全麻痺。外科的固定。
治療
緊急。頸部の操作・屈曲を一切避ける。即時の厳格なケージ安静。外固定:軽症例または手術待機中の頸部装具(わずかな伸展位で頸部ギプス固定6-8週)。外科的安定化(中等度-重症・再発例):背側アプローチ(環椎翼-C2体ワイヤー固定)または腹側アプローチ(C1-C2経関節スクリュー固定:最も安定)。プレドニゾロン1 mg/kg IV/PO q12h(急性期の脊髄浮腫軽減)。鎮痛:トラマドール+ガバペンチン(神経因性疼痛)。術後理学療法。術前神経学的グレードが予後に直結(グレード1-2:頸部痛のみ:優良;グレード4-5:非歩行性:慎重)。
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予防
素因犬種での高所からのジャンプを避ける。罹患犬の繁殖禁止(遺伝的素因)。頸部痛を示す若齢トイ犬種の定期神経学的検査。
予後
重症度により異なる。頸部痛のみ(グレード1-2):優良(手術成功率85-90%)。四肢不全麻痺(グレード3-4):良好(手術で70-80%)。四肢完全麻痺・脊髄軟化(グレード5):不良(<40%)。
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