肛門嚢腺癌
Anal Sac Adenocarcinoma / 肛門嚢腺癌
概要
肛門腺の悪性腫瘍で、高カルシウム血症と排便困難を引き起こします。
主な症状
便秘
多飲
触ると痛がる
原因
原因不明。中高齢犬(平均10〜11歳)。スパニエル種に好発との報告あるが、全犬種で発生。避妊/去勢との関連は不明確。直腸検査での偶然発見が多い。片側性が多いが両側性もある。
病態生理
肛門嚢のアポクリン腺上皮の悪性増殖→肛門周囲の浸潤性腫瘤→仙骨下リンパ節転移(50〜90%で診断時に転移あり)→肺転移。腫瘍随伴性高カルシウム血症(PTHrP産生、約25〜50%)→多飲多尿・腎障害・筋力低下。高Ca血症が初発症状となり偶然発見されることがある。
治療
Dogにおける肛門嚢腺癌の治療は腫瘍の種類、部位、病期に依存する。アクセス可能な固形腫瘍には十分なマージンを確保した外科的切除が第一選択である。全身性腫瘍、不完全切除、転移性疾患には化学療法が適応となりうる。放射線療法は局所的な腫瘍制御を提供できる。根治療法が困難な場合は疼痛管理、栄養サポート、QOL維持に焦点を当てた緩和ケアを行う。
予防
確実な予防法はない。中高齢犬の定期的な直腸検査(肛門嚢の触診)。高Ca血症の犬では本疾患を鑑別に挙げる。外科的切除+仙骨下リンパ節郭清が標準治療。MST 12〜18ヶ月(手術+化学療法)。
予後
予後は腫瘍の種類、組織学的悪性度、臨床ステージ、転移の有無、治療への反応性により大きく異なる。良性腫瘍は完全切除により治癒が期待できるが、悪性腫瘍では早期発見・早期介入が生存期間を有意に延長させる。不完全切除例や高悪性度腫瘍では再発・転移のリスクが高く、定期的な経過観察と追加治療の検討が必要である。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
腫瘍の他の疾患(犬)
VetDictで犬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。