口腔膿瘍
概要
口腔内に限局性の細菌感染により膿瘍が形成される疾患です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す爬虫類の他の疾患を確認できます
臨床徴候
爬虫類における口腔膿瘍の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
口内炎の進展、歯根感染(歯を有する種)、異物穿通、咬傷感染。グラム陰性菌(シュードモナス、アエロモナス、プロテウス)が原因菌として多い。
病態生理
爬虫類の膿瘍は乾酪性(固体状)膿性物質の被包化された集積物で、哺乳類の液状膿とは異なる。厚い線維性被膜と無血管性の乾酪性核心部は免疫細胞浸透と全身性抗菌薬の効果の両方を制限するため、根治には外科的摘出が必要。
診断
口腔内膿瘍の診断は、開口検査による口腔粘膜の腫脹・乾酪化膿瘍・歯肉炎の視診で行う。爬虫類の膿はカゼイン様の固形で、哺乳類のような液状膿とは異なる。膿瘍内容物のグラム染色・培養感受性試験で原因菌を同定する。X線またはCT検査で顎骨への骨浸潤(骨髄炎)の有無を確認する。口内炎(stomatitis)との鑑別では、全身性感染やビタミンC欠乏も考慮する。
治療
麻酔下での膿瘍被膜全体の外科的摘出が第一選択。腔をクロルヘキシジンまたはポビドンヨード希釈液で洗浄。抗菌薬含浸ビーズまたはスルファジアジン銀で創充填。培養感受性に基づく全身性抗菌薬を2-4週間。骨浸潤評価のためX線撮影。
予防
口腔外傷の予防、口内炎の早期治療、良好な口腔衛生と至適飼育管理の維持。健診時の定期的な口腔検査。
予後
膿瘍が完全に摘出され骨浸潤がなければ予後良好。不完全摘出や骨浸潤(骨髄炎)は再発リスクを高め予後を悪化させる。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
感染症の他の疾患(爬虫類)
VetDictで爬虫類の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。