外傷・咬傷
概要
同居個体、餌動物、取り扱い事故による物理的損傷です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す爬虫類の他の疾患を確認できます
臨床徴候
爬虫類における甲羅骨折・外傷の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。
原因
ケージメイトの攻撃(特に給餌時や繁殖時)、餌動物の咬傷(生きた齧歯類)、犬/猫の攻撃、高所からの落下、ケージ設備による圧挫傷、防護されていない熱源による熱傷、屋外動物の芝刈り機や車両による損傷。
病態生理
外傷による組織損傷は出血、汚染、組織失活を引き起こす。爬虫類の創傷は低い代謝率のため治癒が遅い。咬傷は細菌で重度に汚染される(Pseudomonas、Aeromonas)。カメ類の甲羅骨折は体腔を露出させる。熱傷は二次感染リスクを伴う全層性皮膚喪失を引き起こす。
診断
甲羅骨折・外傷の診断はX線検査(背腹像・側面像)で骨折線の走行・変位度・体腔への開放性を評価する。CT検査は複雑骨折の三次元的評価に有用である。甲羅は皮骨(dermal bone)であり、骨折部の汚染度・生死判定を行う。出血量の評価にPCV・TP測定を行い、重度外傷ではショック治療を優先する。体腔への穿通創では超音波検査で臓器損傷・体腔液貯留を確認する。
治療
希釈クロルヘキシジン(0.05%)での創洗浄。失活組織のデブリドマン。培養に基づく全身性抗菌薬(セフタジジム20 mg/kg IM 72時間毎)。清潔な場合は創閉鎖;汚染されている場合は開放創管理。甲羅骨折:ワイヤー、エポキシ、グラスファイバーパッチで安定化。鎮痛:メロキシカム0.1-0.2 mg/kg。輸液療法。創傷治癒には数週間〜数ヶ月を要しうる。
予防
攻撃的な種は個別飼育。冷凍解凍餌の給餌。防護された熱源の使用。飼育設備の固定。屋外活動の監視。捕食者のアクセス防止。
予後
重症度に依存。軽微な創傷:良好。臓器露出や脊椎関与を伴う重大外傷:要注意〜不良。体腔汚染を伴う甲羅骨折:要注意。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
その他の他の疾患(爬虫類)
VetDictで爬虫類の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。