アデノウイルス感染症
概要
特にフトアゴヒゲトカゲ(アタデノウイルス)や一部のヘビで重症化するウイルス感染症です。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類におけるアデノウイルス感染の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
フトアゴヒゲトカゲのアタデノウイルス感染;各種爬虫類の他のアデノウイルス。糞口経路、直接接触、媒介物を介して伝播。垂直感染(母体から子へ)が記録されている。免疫不全動物と若齢動物が最も重症化。
病態生理
ウイルスは肝細胞、腸上皮細胞、一部では神経組織を標的とする。肝壊死が特徴的病変で、核内好塩基性封入体を伴うことが多い。フトアゴヒゲトカゲではコクシジウムの同時感染が非常に多く予後を著しく悪化させる。免疫抑制が二次感染の素因となる。
診断
肝臓・消化管の生検で好塩基性核内封入体(カウドリーA型)をH&E染色で確認(確定診断)。PCR(アデノウイルス特異的プライマー、口腔・総排泄腔スワブ)が生前診断に有用。CBC(ヘテロフィル減少・リンパ球減少→免疫抑制状態)。血液生化学(AST・LDH著明上昇→肝壊死、UA上昇→腎障害)。X線・超音波で肝腫大を評価。剖検で肝臓の多巣性壊死・腸炎が特徴的所見。POTZ管理下での採血と全身状態評価が必須。
治療
爬虫類におけるアデノウイルス感染症: 特異的抗ウイルス療法は限定的。① 隔離(パラミクソ・アデノ・アレナ等のウイルスは爬虫類群で集団発症のリスク)。② POTZ最適化(免疫機能回復の前提)、湿度・UVB調整。③ 支持療法: 輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe、強制給餌(Carnivore Care)、栄養補給。④ 二次性細菌感染予防: セフタジジム 20 mg/kg IM q72h(嫌気性カバー要時)。⑤ 重症: αインターフェロン経験的使用報告あり(エビデンス限定)。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。
予防
全ての新規フトアゴヒゲトカゲをコレクション導入前にPCR検査。最低90日間の検疫。衛生管理の実践。ペットショップの全てのフトアゴヒゲトカゲは保菌者の可能性を想定。陽性動物は繁殖させない。
予後
多様。急性肝壊死の若齢動物:不良。成体は急性感染を生き延び保菌者となりうる。コクシジウムの同時感染は生存率を劇的に悪化させる。慢性保菌者は良好な飼育管理で正常な寿命を生きうる。
関連する薬品
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