増殖性腸症
概要
ローソニア・イントラセルラリス感染による腸粘膜の肥厚で、吸収不良と体重減少を引き起こします。
主な症状
原因
病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病原体の毒力と宿主の免疫応答のバランスが発症と重症度を決定する。若齢・老齢個体や免疫抑制状態では感染が重篤化しやすい傾向にある。
病態生理
病原体が宿主の防御機構を突破して組織に定着すると感染が成立する。病原体の毒素産生、組織侵入、細胞内寄生により直接的な組織障害が生じる。同時に宿主の免疫応答(炎症反���・補体活性化・サイトカインカスケード)が活性化されるが、過剰な免疫応答自体が組織損傷の原因となる場合がある。全身性炎症反応症候群(SIRS)から敗血症性ショック・多臓器不全への進行が最も危険な病態である。
治療
Lawsonia intracellularis感染 — 主に離乳期ウサギ(4-14週齢)に発症。クロラムフェニコール 50 mg/kg PO q12h × 14-21日がLawsoniaの第一選択薬(細胞内病原体 — 細胞浸透性抗菌薬が必要)。代替: アジスロマイシン 15-30 mg/kg PO q24h × 14日(安全なマクロライド — エリスロマイシンはウサギで致死的なため絶対禁忌)。エンロフロキサシン 10-20 mg/kg PO/SC q12h 併用。経口ペニシリン・リンコマイシン・クリンダマイシンは絶対禁忌 — 致死性腸管毒素症。支持療法: SC/IV輸液(乳酸リンゲル液 100 mL/kg/日 + 脱水補正量)、強制給餌クリティカルケア 50-80 mL/kg/日(罹患ウサギは著しい食欲不振/消耗を示すことが多い)、チモシー牧草自由摂食。消化管運動促進: イレウス時にメトクロプラミド 0.5-1.0 mg/kg SC q6-8h。疼痛管理: メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h。保温(20-24℃)、ストレス最小化。体重を毎日モニタリング — 著しい体重減少が本疾患の特徴。プロバイオティクスで盲腸フローラを支援。衛生: 飼育環境の厳格な消毒、糞口感染経路。罹患動物を隔離。回復動物では長期栄養リハビリテーションが必要な場合あり。参考文献: Harcourt-Brown (2002), Mähler & Köhl (2009) Vet Microbiol.
予防
適切なワクチネーションプログラムの実施、衛生的な飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間の設定が基本的予防策である。過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力の維持、ストレス軽減も重要である。感染動物との接触を避け、汚染された器具や環境の消毒を徹底する。定期的な健康診断による早期発見と早期治療が蔓延防止に不可欠である。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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