妊娠中毒症(初期)
概要
ウサギの初期妊娠中毒症(25-28日)は部分的食欲不振、軽度ケトーシス(血中ケトン 2-4 mmol/L)、初期肝リピドーシスで特徴付けられる。進行期ケトーシスと異なる—早期栄養支持に極度に反応。重大な介入時間窓:症状発現から12-48時間。早期発見で治療成功率 70-85%。
主な症状
原因
胎児加速期(20-28日)での負のエネルギーバランス。危険因子:肥満(>2.5kg)、育種前栄養不良、ストレス(環境温度変化、取扱い、難産)、胎児による消化管圧迫で食欲低下。初期毒血症は進行期に進行する前の介入で予防可能。
病態生理
肝糖新生が胎児+母体エネルギー需要に応じられない(胎児指数関数的成長期)。ウサギ後腸依存で肝グリコーゲン動員不可—脂肪カタボリズムに強制。β酸化がケトン産生(中程度 2-4 mmol/L);軽度アシドーシス(pH 7.25-7.35)。肝脂肪蓄積開始するが未だ重大でない。食欲不振は部分的反射的(ケトン+腸運動変化)だが栄養回復で可逆。進行期との重大な相違:軽度代謝異常で、肝不全発展前に食事/栄養で反応。
治療
早期介入で強制給餌が重大(早期発見で極度に高い成功率):1) 直ちの強制給餌:q2-3h でティモシーヘイベースペレット+ティモシーヘイ片、最小120-150 kcal/kg/日 × 5-7日(スキップ不可—これが重大な介入)。目標:盲腸運動回復、食欲不振反射終了。2) ブドウ糖支持(軽い):IV/SC 25%デキストロース 0.25-0.5 g/kg/日 × 1-2日のみ(極度に虚弱の場合;延長IV デキストロース回避—正常盲腸機能回復には経口栄養優先)。3) 支持輸液:SC LRS 25-50 mL/kg/日 × 1-3日。4) 肝支持:ビタミンE 50 IU/kg/日、B複合、シリマリン(ミルクシスル)20 mg/kg q8h(肝硬変前に脂質代謝支持)。5) 代謝モニタリング:血糖 q2-4日(目標 >90 mg/dL)、尿ケトン日1回(栄養回復で3-5日で低下すべき)、肝酵素ベースライン・3-5日(回復軌道評価)。6) GI運動:メトクロプラミド 0.5-1 mg/kg SC/PO q12h × 3-5日(給餌誘発盲腸反動促進)。7) 鎮痛/炎症:メロキシカム 0.3-0.5 mg/kg SC q12h × 3-5日。8) 緊急麻酔(栄養にもかかわらず急速悪化時のみ):イソフルラン吸入マスク導入を強く優先;強制給餌にもかかわらず食欲不振が >5-7日続く場合の早期分娩に準備。**帝王切開必要の場合の非麻薬性プロトコル**:(a) 術前:血糖 >100 mg/dL確保;IV 25%デキストロース補充;麻酔まで栄養継続。(b) 麻酔前:デクスメデトミジン 10 μg/kg IM + ブトルファノール 0.4 mg/kg IM(許容—代謝安定性保持)。(c) 導入:イソフルラン吸入マスク導入のみ(代謝ストレス下の後腸発酵動物で最安全);アルファキサロン 5-7 mg/kg IV 緩速が代替案。プロポフォール・ケタミン禁止。(d) 維持:イソフルラン 1.5-2.5%で IPPV補助(EtCO₂ 35-40 mmHg)。(e) 局所ブロック:ブピバカイン 0.5% 2 mg/kg 予防的に子宮血管周囲(揮発性要件軽減)。(f) 胎児ケア:母体SPO₂ >95%、MAP >55 mmHg、体温36-37°C(温液、ヒーティングパッド)。緊急キット:アティパメゾール、デキストロース、除細動器。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化 • Booster & Relax (アダプトゲン+Bビタミン複合体): ウイルス後回復・内分泌疾患エネルギー補給・高齢期慢性疲労 • カミデミルク (消化吸収しやすい流動性栄養): 食欲不振・クリティカルケア・経管栄養 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意 ※カミデミルク: 完全腸閉塞は禁忌; 重症膵炎は低脂肪配合
予防
予防は初期段階で極度に効果的:1) 体重管理:育種前 <2.3kg(>2.5kg = 主要リスク)。2) 妊娠前栄養:ティモシーヘイ給与量制限なし、ペレット 20-30g/日、最小ストレス。3) 20日から毎日体重測定:体重突然減少 >50g = 直ちのシリンジ給餌トリガー。4) リスク因子がある場合は週1血糖測定(肥満、以前の毒血症試行):食欲不振発展前の代謝低下を捕捉。早期介入成功率 80%以上。
予後
早期介入で70-85%生存(12-48時間以内に発見)。強制給餌単独で初期食欲不振は反転可能で進行予防。未治療または遅延 >7日で20-30%生存(進行期毒血症に進行)。産後:栄養/体重が厳密に管理されない場合再育種で40-50%再発リスク;避妊推奨。
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