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うさぎ (Rabbit) 緊急

妊娠中毒症(ケトーシス)

Pregnancy Toxemia (Ketosis) / 妊娠中毒症(ケトーシス)

概要

肥満したメスウサギの妊娠後期や偽妊娠時に起こる代謝障害で、肝リピドーシスとケトアシドーシスを引き起こします。

主な症状

acetone breath appetite loss lethargy seizures sudden death weakness

原因

ウサギにおける妊娠中毒症(ケトーシス)の原因: 肥満した妊娠後期のメスウサギに好発する。妊娠末期のエネルギー需要増大に対し、肥満による脂肪肝や食欲低下(胎子による胃の圧迫)が重なり、負のエネルギーバランスが生じる。脂肪の過剰動員により肝リピドーシスとケトアシドーシスに至る。偽妊娠、多胎妊娠、ストレス、急な食事変更、飲水不足も誘因となる。ウサギは後腸発酵動物であり、絶食に極めて弱い点が病態を悪化させる。

病態生理

妊娠中毒症(ケトーシス)はウサギにおける代謝・内分泌疾患である。妊娠後期のエネルギー需要増大に対し食欲低下が重なると、負のエネルギーバランスが生じ脂肪組織の過剰動員が起こる。遊離脂肪酸が肝臓に大量流入し、肝リピドーシス(脂肪肝)を引き起こす。肝機能障害によりケトン体の代謝が追いつかずケトアシドーシスに進行する。ウサギは後腸発酵動物であり絶食に極めて脆弱で、数時間の食欲廃絶でも急速に病態が悪化する。高ケトン血症・低血糖・代謝性アシドーシスが多臓器不全を引き起こし、致死率が極めて高い。

治療

ウサギにおける妊娠中毒症(ケトーシス)の治療: 緊急の集中治療が必要。積極的な輸液療法(生理食塩水またはリンゲル液 IV)で脱水・電解質補正。5%ブドウ糖液の静脈内投与で低血糖を補正。強制給餌(シリンジフィーディング)による早期の栄養補給が不可欠。疼痛管理にメロキシカム(0.3-0.5 mg/kg SC q24h)。重度の場合は帝王切開による胎子除去を検討。肝リピドーシスの進行防止のため、食欲回復まで頻回の少量給餌を継続する。血糖・ケトン体・電解質の頻回モニタリングが必要。予後は発見の早さに大きく依存し、重症例では致死率が極めて高い。

予防

妊娠中毒症(ケトーシス)の予防には適切な食事設計、血液検査を含む定期的な健康モニタリング、健康体重の維持、過剰なおやつや不適切な食事の回避、無症候性変化の早期発見時の迅速な介入が含まれる。

予後

妊娠中毒症(ケトーシス)の予後は適切な管理により一般的にやや良好〜良好である。早期診断された症例の多くは治療に良好に反応する。慢性例や再発例では長期管理が必要だが、概ね許容できるQOLを維持できる。定期的なモニタリングにより合併症の早期発見・対処が可能となる。

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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
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