巨大食道症
概要
食道の拡張と蠕動運動の喪失により、逆流と誤嚥性肺炎のリスクを引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける巨大食道症の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
ウサギにおける巨大食道症の原因: 食道の拡張と蠕動運動の喪失により、逆流と誤嚥性肺炎のリスクを引き起こします。
病態生理
食道の蠕動機能が神経筋障害により失われ、食道が拡張して食塊を胃へ推進できなくなる。貯留した食物・唾液が逆方向に吐出(regurgitation)され、咽頭・喉頭への逆流物の誤嚥により誤嚥性肺炎を起こす。慢性的な摂取不良・栄養喪失は体重減少をもたらし、ウサギでは消化管うっ滞(GI stasis)を併発しやすい。基礎に自律神経障害・神経筋疾患・鉛中毒などがあり、原因検索と栄養・誤嚥対策、消化管運動の維持が管理の中心となる。
診断
流涎・嚥下困難・食欲不振・体重減少から巨大食道症を疑う。造影X線(バリウム造影)で食道の拡張・蠕動低下を確認。透視検査で嚥下動態を評価。CT検査で食道壁の構造異常・周囲組織の圧迫を精査。CBC/生化学で基礎疾患を除外。神経学的検査で全身性神経筋疾患を評価。ウサギでは本症の報告が稀であり、先天性と後天性(鉛中毒・神経障害・胸腔内腫瘤)を鑑別。ウサギは嘔吐ができないため食道内容の逆流は起こりにくいが、摂食障害による急速な削痩が問題となる。
治療
ウサギにおける巨大食道症の治療: 1. 体位管理: 頭部挙上位での給餌(45度角)、食後15-30分間の挙上維持で逆流・誤嚥予防。2. 食事管理: 少量頻回の流動食(クリティカルケアを水で希釈)、固形食は細かく刻む。3. 誤嚥性肺炎の予防・治療: エンロフロキサシン5-10mg/kg PO q12h(経口βラクタム禁忌)。4. 消化管運動促進: メトクロプラミド0.5mg/kg SC q8h、シサプリド0.5mg/kg PO q8-12h。5. 疼痛管理: メロキシカム0.3mg/kg PO q24h。6. 脱水予防: 皮下輸液 50-100mL/日。7. 原因検索: 鉛中毒(血中鉛濃度)、E.cuniculi(血清学)、胸腔内腫瘤(胸部X線/CT)。8. 週1回の体重モニタリング。注: ウサギは嘔吐不能(催吐反射なし)—「逆流」は受動的な逆流であり能動的嘔吐ではない。ウサギでは稀な疾患。参考: Harcourt-Brown (2002); Varga (2014)。
予防
巨大食道症の予防: 定期的な健康診断。適切な栄養管理。ストレスの軽減。清潔な飼育環境の維持。異常の早期発見・早期受診。
予後
巨大食道症の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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