大腸菌性腸炎
概要
腸管病原性大腸菌感染症で、特に若いウサギに危険で、水様から粘液性の下痢を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける大腸菌性腸炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
ウサギにおける大腸菌性腸炎の原因: 創傷汚染、経口摂取、吸入、日和見的過剰増殖による細菌コロニー形成。ストレス、免疫抑制、不衛生、過密飼育、併発疾患が素因となる。
病態生理
病原性大腸菌は付着因子で腸上皮に定着し、エンテロトキシンや志賀毒素、内毒素により分泌性下痢・腸傷害を起こす。全身播種すると敗血症・多臓器障害を招く(特に新生子)。
診断
幼若ウサギの急性水様性~粘血性下痢から疑診。糞便培養で病原性大腸菌(EPEC/EHEC)を同定し血清型・毒素遺伝子をPCRで確認。CBC/生化学で脱水(PCV上昇)、電解質異常(低Na・低K)、代謝性アシドーシス。腹部X線で腸管ガス充満・液体貯留。ウサギは嘔吐できないため体液喪失は下痢のみで急速に脱水が進行。鑑別にコクシジウム、クロストリジウム、ロタウイルスを考慮。薬剤感受性試験を必ず実施。
治療
ウサギにおける大腸菌性腸炎の治療: 主に幼若ウサギ(離乳期4-8週齢)に発症—急性致死性腸炎を引き起こしうる。積極的輸液蘇生: 晶質液(LRS/生食)IV 10-15mL/kg/hr、脱水と電解質を補正。培養感受性に基づく抗菌薬: エンロフロキサシン10-20mg/kg PO/SC q12h(第一選択)、またはTMS 30mg/kg PO q12h。経口ペニシリン/リンコサミド/エリスロマイシンは絶対禁忌—ディスバイオーシスを悪化させ致死的腸毒素血症を引き起こす。コレスチラミン2g/20mL水 PO q24h(補助的毒素吸着)。鎮痛: メロキシカム0.3-0.6mg/kg SC q24h + ブプレノルフィン0.01-0.05mg/kg SC q6-8h。栄養サポート: 強制給餌、チモシー干し草自由摂取。新生児: 十分な母乳摂取の確保、離乳時のストレス軽減、急な食事変更の回避。環境消毒の徹底。脱水(皮膚ツルゴール、粘膜)と低体温の監視。人獣共通感染症—飼い主に手指衛生を指導。参考: Harcourt-Brown (2002); Percy & Barthold (2007)。
予防
大腸菌性腸炎の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
大腸菌性腸炎の予後: 急性消化器疾患は多くが治療に良好に反応。閉塞性疾患は早期外科介入で予後良好。慢性疾患は食事管理で長期管理可能。
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