中耳炎・内耳炎
概要
パスツレラの波及による中耳・内耳の細菌感染。前庭症状を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける中耳炎・内耳炎の臨床徴候は原因と病期により異なる。急性: 紅斑・水疱・湿潤性病変・激しい掻痒・脱毛(接触性皮膚炎・蕁麻疹)。慢性: 苔癬化・色素沈着・脱毛・落屑・痂皮(アトピー性皮膚炎・慢性膿皮症)。分布パターンが診断に有用: 顔面・指趾(アトピー)、耳・腹側(蚤アレルギー)、対称性脱毛(内分泌性)、円形病変(皮膚糸状菌・毛包虫)。
原因
ウサギにおける中耳炎・内耳炎の原因: パスツレラの波及による中耳・内耳の細菌感染。前庭症状を引き起こします。
病態生理
ウサギの中耳炎・内耳炎はPasteurella multocida(最多)による中耳・内耳の細菌感染。上部気道の慢性P. multocida感染→耳管経由の上行性感染→中耳の膿貯留→内耳への進展→前庭障害(斜頸、眼振、旋回)。Encephalitozoon cuniculiとの鑑別が重要。ロップイヤー種は外耳道換気不良で中耳炎リスクが高い。
診断
斜頸・眼振・旋回運動・バランス喪失から中耳炎・内耳炎を疑う。頭部X線で鼓室胞の骨肥厚・液体貯留を確認。CT/MRIで中耳・内耳の詳細な評価と膿瘍の範囲を精査。耳鏡検査で鼓膜の異常(混濁・膨隆・穿孔)を確認。鼓室穿刺で膿の培養・感受性試験を実施。CBC/生化学でヘテロフィル増多を確認。ウサギではP. multocidaが最も一般的な起因菌。E. cuniculi関連前庭障害との鑑別が最重要であり、抗体検査と画像所見の組み合わせで判断する。
治療
ウサギにおける中耳炎・内耳炎の治療: パスツレラ・マルトシダが最多原因菌。培養感受性に基づく長期全身抗菌薬(最低4-6週、しばしば8-12週): エンロフロキサシン10-20mg/kg PO/SC q12h(第一選択)、TMS 30mg/kg PO q12h、クロラムフェニコール50mg/kg PO q12h(耐性例)。アジスロマイシン15-30mg/kg PO q24hはウサギで安全(エリスロマイシンは致死的なので禁忌)。経口ペニシリン/リンコサミド系は絶対禁忌。前庭症状(斜頸、眼振、ローリング): メクリジン2-12mg/kg PO q12-24h。鎮痛: メロキシカム0.3-0.6mg/kg PO q24h。難治例の外科: 腹側鼓室胞切開術(VBO)—ウサギの鼓室胞は大きくアクセス良好。術前CTがX線より有用。E. cuniculiとの鑑別(血清学、フェンベンダゾール試験投与)。斜頸患者には強制給餌と高い位置の食器/水飲み。永続的な残存斜頸は多いがウサギは適応良好。参考: Harcourt-Brown (2002); Snook et al. (2013)。
予防
中耳炎・内耳炎の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
中耳炎・内耳炎の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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