耳ダニ症
概要
ウサギキュウセンヒゼンダニによる耳道感染で、厚い痂皮性滲出物と強い掻痒感を引き起こします。
主な症状
原因
皮膚組織に感染する寄生虫が原因。感染期(卵・オーシスト・幼虫)の経口摂取・直接接触・ベクター・経皮侵入で伝播。不衛生・屋外曝露・免疫抑制・ストレスが素因。ウサギの食性が特定の寄生虫生活環への曝露を増加させうる。
病態生理
寄生虫は経口摂取・皮膚穿通・ベクター媒介によりウサギの皮膚組織に感染を確立する。寄生体は直接的な機械的損傷・栄養競合・免疫病理学的反応を通じて宿主組織を損傷する。寄生体段階の周囲に好酸球性・肉芽腫性炎症が発生する。慢性感染は組織線維化と臓器機能障害に至る。
治療
ウサギ耳疥癬虫(Psoroptes cuniculi)— 高度に伝染性、耳道皮膚表面に生息する非穿孔性ダニ。【診断】: 耳鏡検査で耳道を埋める特徴的な茶褐色の厚い痂皮を確認。拡大鏡またはセロテープ法の顕微鏡検査でダニ可視。痂皮を無理に除去してはならない — 炎症上皮に付着しており、除去は重度の疼痛・出血・組織損傷を引き起こす。【駆虫治療(第一選択)】: イベルメクチン0.2-0.4 mg/kg SC、14日目と28日目に反復(最低3回投与 — 卵は21日間で孵化)。代替: セラメクチン(レボリューション)6-18 mg/kg外用 q28日×3回。モキシデクチン0.2-0.3 mg/kg SC/外用 q14日×3回。フィプロニルは絶対に使用しない(ウサギに致死的 — けいれん、肝毒性、死亡)。ペルメトリンも禁忌(ウサギに有毒)。【痂皮管理】: ダニ死滅に伴い痂皮は自然に剥離・脱落(2-4週間)。軟化: ミネラルオイルまたはオリーブオイルを耳道にq12-24h塗布 — 表面ダニの窒息効果もあり。付着した痂皮を引き剥がしたり掻爬してはならない。【疼痛管理(必須 — 耳疥癬は非常に痛い)】: メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO/SC q24h×7-14日間。重症例は初期48-72hにブプレノルフィン0.01-0.05 mg/kg SC q6-8h。【二次細菌感染】: 膿性分泌物や斜頸が生じた場合 — エンロフロキサシン10-20 mg/kg PO q12h×14日間。前庭症状を伴う中耳炎/内耳炎: 抗菌薬4-6週間延長+鼓室胞のCT/MRI検討。【環境対策】: 接触した全ウサギを同時に治療。飼育環境・寝具・グルーミング器具を清掃消毒。Psroptesはオフホストで3週間生存可能。治療後2週・4週で再寄生をモニタリング。参考文献: Harcourt-Brown (2002); Varga (2014); Saunders (2010).
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
適切な駆虫薬治療で予後は一般的に良好。重度感染や免疫不全ウサギでは予後不良となりうる。環境消毒と再感染予防が長期的な予後改善に重要。定期的な糞便検査と予防的駆虫が推奨される。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
寄生虫の他の疾患(うさぎ)
VetDictでうさぎの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。