エンセファリトゾーン症(神経型)
概要
エンセファリトゾーン・クニクリによる肉芽腫性脳炎で、重度の前庭症状とCNS徴候を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおけるエンセファリトゾーン症(神経型)の臨床徴候は寄生虫種・寄生部位・寄生数により異なる。消化管寄生では下痢・嘔吐・体重減少・腹部膨満、外部寄生では掻痒・脱毛・皮膚炎、心血管寄生では咳・運動不耐性・腹水、血液寄生では貧血・発熱・元気消失を呈する。幼若・栄養不良個体では重症化しやすく、慢性経過では発育不良が顕著となる。
原因
ウサギにおけるエンセファリトゾーン症(神経型)の原因: エンセファリトゾーン・クニクリによる肉芽腫性脳炎で、重度の前庭症状とCNS徴候を引き起こします。
病態生理
エンセファリトゾーン症(神経型)はウサギにおける寄生虫疾患である。寄生虫は経口摂取、経皮的侵入、またはベクター媒介伝播を通じて感染を確立する。抗原変異、免疫調節、細胞内隔離により宿主の免疫防御を回避しながら、宿主の栄養と資源を利用して増殖する。組織損傷は寄生虫の直接的な摂食、機械的破壊、有毒代謝副産物、宿主の炎症・免疫応答に起因する。重度の寄生虫感染は貧血、栄養失調、臓器機能障害、二次感染を引き起こしうる。
診断
斜頸・眼振・旋回運動・後肢不全麻痺・けいれんからE. cuniculi神経型を疑う。血清学的検査(IFA・ELISA)でIgM(急性期)・IgG抗体価を測定。ペア血清で4倍以上の抗体価上昇が有意。頭部MRIで脳幹・大脳の肉芽腫性病変を評価。尿PCRでE. cuniculiスポアを検出。CBC/生化学でBUN/Cre上昇(腎型合併)を確認。中耳炎(P. multocida)による末梢性前庭障害との鑑別が最重要であり、CTでの鼓室胞評価とE. cuniculi抗体検査の組み合わせで判断する。
治療
Encephalitozoon cuniculi神経型 — 前庭症状(首の傾き、眼振、ローリング)、不全麻痺、痙攣を引き起こす肉芽腫性脳炎。抗寄生虫薬: フェンベンダゾール 20 mg/kg PO q24h × 最低28日間 — 原虫を殺すが既存の肉芽腫性損傷は回復しない。慢性例では多くの臨床家が生涯投与を続けるか、高リスク環境では予防的に治療。抗炎症: メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h 長期(肉芽腫性炎症を軽減し鎮痛を提供)。デキサメタゾン 0.2-0.5 mg/kg IV/IM 単回投与(急性脳浮腫時 — 寄生虫血症を悪化させる可能性があり議論あり; 脳ヘルニア切迫時のみ使用)。痙攣管理: ミダゾラム 0.5-2 mg/kg IM/経鼻 急性発作時。レベチラセタム 20-30 mg/kg PO q8h 維持抗てんかん療法。前庭障害サポート: ローリング外傷防止のため軟壁パッド付きケージ。摂食・飲水の補助(罹患ウサギは食餌/水に到達できないことがある)。強制給餌クリティカルケア 50-80 mL/kg/日。チモシー牧草自由摂食 — ウサギは絶対に絶食させない。輸液: 乳酸リンゲル液 100 mL/kg/日 SC。首の傾きは治療成功後も永続的残存症状となりうる — 多くのウサギは残存する首の傾きがあっても良好に適応しQOLを維持する。理学療法: バランス維持のための穏やかな体幹サポート運動。環境衛生: 芽胞は尿中に排泄 — 70%エタノールまたは1%次亜塩素酸で徹底清掃。接触のある全てのウサギにフェンベンダゾール予防投与。参考文献: Suter et al. (2006) Vet Pathol, Künzel & Joachim (2010), Harcourt-Brown (2002).
予防
エンセファリトゾーン症(神経型)の予防には定期的な予防駆虫、環境衛生と糞便除去、新規動物の隔離・検査、ベクター防除、中間宿主や汚染環境への曝露回避が含まれる。
予後
エンセファリトゾーン症(神経型)の予後: 原因により予後が大きく異なる。炎症性疾患は治療に反応する場合がある。変性性疾患は進行性で予後要注意〜不良。
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