前庭疾患
概要
前庭系の機能障害(末梢性または中枢性)で、斜頸、運動失調、眼振を引き起こします。主な原因はE. cuniculiと中耳・内耳炎です。
主な症状
原因
ウサギの神経系に影響する正確な原因は不明または多因子性。遺伝的素因・環境因子・免疫調節異常・不顕性感染・代謝障害が寄与因子として考えられる。個々の症例での主原因特定にはさらなる調査が必要。
病態生理
ウサギの神経系に影響する正確な病態生理は完全には解明されていない。遺伝的素因・環境因子・免疫調節異常を含む多因子性メカニズムが関与すると考えられる。神経系組織における炎症性・代謝性・構造的変化が進行性の臨床徴候をもたらす。ウサギにおける疾患メカニズムの完全な解明にはさらなる研究が必要。
治療
前庭疾患の治療 — 原因により治療が大きく異なる: (1) E. cuniculi(ペットウサギで最も多い原因): フェンベンダゾール20 mg/kg PO q24h×28日間(ゴールドスタンダード — 胞子を殺滅しCNS損傷の進行を防止)。メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO/SC q24h(肉芽腫性炎症を軽減)。重度急性例のみデキサメタゾン0.1-0.2 mg/kg SC/IM×1-3日(免疫抑制作用あり慎重投与)。血清学: IgM陽性=活動性感染、IgGのみ=過去曝露。尿PCRがより特異的。(2) 中耳炎/内耳炎(Pasteurella multocidaが最多): CTで鼓室胞評価。エンロフロキサシン10-20 mg/kg PO/SC q12h+プロカインペニシリンG 42,000-84,000 IU/kg SC q48h×最低6-8週間。培養感受性試験。鼓室胞切開術: CT上液体貯留がある難治例に適応。(3) 特発性: E. cuniculiと中耳炎の除外後。多くは2-8週間の支持療法で自然軽快。支持療法(全原因共通): メクリジン2-12 mg/kg PO q24h(前庭症状軽減)。急性ローリング時はミダゾラム0.5-1.0 mg/kg IM/IN。パッド付き囲いで外傷予防。丸めたタオルで胸骨位保持。栄養支持: 食欲不振時はCritical Care 50-80 mL/kg/day(消化管うっ滞が最大の二次合併症)。シサプリド0.5-1.0 mg/kg PO q8-12h。脱水時はSC輸液100 mL/kg/day。眼のケア: 人工涙液q4-6h(斜頸による下眼の角膜露出)。斜頸は治療成功後も永続する場合あり(美容的 — 大半のウサギは数週-数ヶ月で代償)。経口ペニシリン系は絶対禁忌。参考文献: Kunzel & Joachim (2010); Harcourt-Brown & Holloway (2003); Varga (2014). [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • Booster & Relax (アダプトゲン+Bビタミン複合体): ウイルス後回復・内分泌疾患エネルギー補給・高齢期慢性疲労
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
特発性疾患の予後は個々の症例により変動する。自然寛解する場合もあるが、慢性再発性の経過をたどることもある。対症療法と支持療法が治療の中心。定期的な再評価により治療方針を調整する。
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