後肢不全麻痺・麻痺
概要
脊髄損傷、E. cuniculi、脊椎症、腫瘍による後肢の筋力低下または完全な運動機能喪失です。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける後肢不全麻痺・麻痺の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。
原因
ウサギにおける後肢不全麻痺・麻痺の原因: 脊髄損傷、E. cuniculi、脊椎症、腫瘍による後肢の筋力低下または完全な運動機能喪失です。
病態生理
後肢不全麻痺・麻痺はウサギにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
診断
後肢の脱力・引きずり・排尿障害・排便障害から後肢不全麻痺・麻痺を疑う。X線で脊椎骨折(特にL7・腰仙部)・椎間板疾患を確認。MRIで脊髄圧迫・脊髄病変を精査。神経学的検査で病変の局在を特定(上位/下位運動ニューロン徴候)。E. cuniculi抗体検査で神経型エンセファリトゾーン症を評価。CBC/生化学で代謝性疾患を除外。ウサギでは保定時のパニックによる脊椎骨折が最も多い原因。鑑別にE. cuniculi・脊椎変形症・腎腫大による神経圧迫を考慮。
治療
後肢不全麻痺・麻痺の治療 — 原因により治療が劇的に異なる: (1) E. cuniculi(進行性後肢不全麻痺の最多原因): フェンベンダゾール20 mg/kg PO q24h×28日間。メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO/SC q24h。急性重度悪化時のみデキサメタゾン0.1-0.2 mg/kg SC×1-3日。(2) 脊椎骨折/脱臼(外傷 — 急性発症の最多原因): X線/CT必須。保存療法: 6-8週間の厳密ケージレスト+デキサメタゾン0.5-2.0 mg/kg IV/IM×24-48h+メロキシカム。深部痛覚なし>48hは予後重篤 — 安楽死の検討。(3) 脊椎症/椎間板疾患: メロキシカム+ガバペンチン5-10 mg/kg PO q8-12h。体重管理。(4) 腫瘍: ステージング後、外科的減量または緩和療法。支持療法(全原因共通): 膀胱管理 — 尿失禁時はq6-8hで用手圧迫(飼い主に指導)。尿やけ予防: 亜鉛華軟膏。柔らかいパッド付き寝床で褥瘡予防。理学療法: 受動的関節可動域運動3-4回/日、支持下起立/歩行、水中療法。慢性対麻痺には車椅子。栄養支持: チモシー牧草無制限。消化管うっ滞予防: 糞便量モニタリング、シサプリド0.5-1.0 mg/kg PO q8-12h。経口ペニシリン系は絶対禁忌。参考文献: Kunzel & Joachim (2010); Harcourt-Brown (2002); Varga (2014).
予防
後肢不全麻痺・麻痺の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
後肢不全麻痺・麻痺の予後: 原因により予後が大きく異なる。炎症性疾患は治療に反応する場合がある。変性性疾患は進行性で予後要注意〜不良。
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