髄膜脳炎
概要
細菌、寄生虫(E.クニクリ)、ウイルスによる脳と髄膜の炎症です。
主な症状
原因
ウサギにおける髄膜脳炎の原因: 細菌、寄生虫(E.クニクリ)、ウイルスによる脳と髄膜の炎症です。
病態生理
髄膜脳炎はウサギにおけるウイルス感染症である。ウイルスは特定の受容体を介して宿主細胞に侵入し、細胞内機構を利用して複製する。直接的な細胞変性効果(細胞溶解、アポトーシス、標的臓器の組織壊死)を引き起こす。自然免疫(インターフェロン、NK細胞)および適応免疫(抗体、細胞性免疫)の宿主免疫応答が免疫病理に寄与することがある。ウイルス血症により病原体が複数の臓器系に播種される可能性があり、免疫抑制により二次的な細菌・真菌感染のリスクが高まる。
治療
ウサギの髄膜脳炎の最多原因はEncephalitozoon cuniculi(微胞子虫)。細菌性(Pasteurella multocida, Staphylococcus)やウイルス性(ヘルペスウイルス)も稀にある。E. cuniculi脳炎: フェンベンダゾール 20 mg/kg PO q24h × 最低28日間、慢性例では生涯投与も。細菌性髄膜脳炎: エンロフロキサシン 10-20 mg/kg PO/SC q12h + プロカインペニシリンG 42,000-84,000 IU/kg SC q48h(注射用は安全; 経口ペニシリンは絶対禁忌 — 致死性)。TMS 30 mg/kg PO q12h(代替)。Pasteurella疑いではアジスロマイシン 15-30 mg/kg PO q24h。抗炎症: メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h 長期。デキサメタゾン 0.2-0.5 mg/kg IV/IM 単回投与(急性脳浮腫に。E. cuniculiでは寄生虫血症を悪化させる可能性があり慎重に使用)。発作管理: ミダゾラム 0.5-2 mg/kg IM/IN 必要時; レベチラセタム 20-30 mg/kg PO q8h(維持療法)。前庭障害サポート: パッド付きケージで転倒による外傷を予防、摂食・飲水を補助。輸液: 乳酸リンゲル液 100 mL/kg/日 SC/IV。強制給餌クリティカルケア 50-80 mL/kg/日。チモシー牧草は許容されればすぐに自由摂食 — ウサギは絶対に絶食させない。首の傾きは治療成功後も永続的残存症状となりうる。慢性前庭障害患者には理学療法と環境適応。参考文献: Suter et al. (2006) Vet Pathol, Künzel & Joachim (2010) Parasitol Res, Harcourt-Brown (2002).
予防
髄膜脳炎の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
髄膜脳炎の予後: 原因により予後が大きく異なる。炎症性疾患は治療に反応する場合がある。変性性疾患は進行性で予後要注意〜不良。
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