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うさぎ (Rabbit) 感染症 中等度

涙嚢炎

Dacryocystitis / 涙嚢炎

概要

鼻涙管・涙嚢の炎症/感染で、飼いウサギで最も多い眼疾患の一つ。内眼角から押し出される濃厚で白い練り歯磨き状の眼脂が特徴。多くは歯科疾患の結果として生じる — 上顎切歯・前臼歯の歯根伸長が、歯根尖近傍を走行する鼻涙管を変形・閉塞させる。Pasteurella multocidaがしばしば二次感染を起こす。

主な症状

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臨床徴候

ウサギにおける涙嚢炎(鼻涙管閉塞)の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。

原因

鼻涙管の閉塞と二次感染で、最多原因は上顎歯(切歯・前臼歯)の歯根伸長による鼻涙管走行の変形。その他、Pasteurella multocidaやブドウ球菌の上行感染、異物、慢性的な涙石形成。鼻涙管が歯根尖付近で鋭く屈曲する解剖学的特徴がウサギの閉塞素因となる。

病態生理

鼻涙管の機械的閉塞 — 通常は上顎を走行する鼻涙管に伸長した上顎歯根が圧迫を加えることによる — により、閉塞部より上流で涙液がうっ滞する。停滞した分泌物が細菌の過剰増殖(多くはPasteurella)と涙嚢の化膿性炎症を促す。慢性炎症と涙石の蓄積が閉塞を持続させ、感染は二次性結膜炎・角膜疾患へ波及しうる。治癒には感染の制御と、歯科/鼻涙管閉塞の解除の両方が必要である。

診断

慢性流涙・内眼角の膿性眼脂・眼瞼周囲皮膚炎から疑診。涙嚢部圧迫で膿性排液の逆流を確認。鼻涙管フラッシュ(生理食塩水注入)で閉塞部位を特定(ウサギの鼻涙管は蛇行が強く閉塞しやすい)。頭部X線/CTで上顎臼歯根尖膿瘍による鼻涙管圧迫を評価(最多原因)。涙液排出液の培養(Pasteurella multocida)。フルオレセイン染色で角膜潰瘍を除外。造影鼻涙管撮影(ダクリオシストグラフィ)で閉塞部位を描出。

治療

涙嚢炎(鼻涙管閉塞)(ウサギ)。★ウサギに非常に多い眼科疾患。Pasteurellaが主原因★。フラッシング(第一選択): 全身麻酔 or 鎮静下で鼻涙管を下涙点からカニューレでフラッシング(生理食塩水)。 ★繰り返し必要なことが多い(月1回程度)★。 C&S(分泌物の培養感受性試験)で抗菌薬選択。局所療法: 抗菌点眼: クロラムフェニコール or オフロキサシン q6-8h。 ★フラッシング後に抗菌薬点眼を導管に注入★。全身抗菌薬: エンロフロキサシン 5-10 mg/kg PO q12h × 2-4週。 アジスロマイシン 15-30 mg/kg PO q24h(Pasteurella有効)。★ペニシリン系/セファロスポリン系経口は致死的禁忌★。根本原因: 歯根膿瘍(切歯/臼歯根)→骨髄炎→鼻涙管圧迫が多い。 頭部X線/CT: 歯根病変の評価。予後: フラッシング+抗菌薬で症状管理可能。根本原因(歯牙)は予後を左右。

予防

ウサギにおける涙嚢炎(鼻涙管閉塞)の予防は腎機能の早期スクリーニングと環境管理が中心。定期的健康診断(7歳以上は年1回、10歳以上は半年に1回)でクレアチニン・SDMA・尿比重・尿蛋白・血圧を評価。水分摂取量増加(ウェットフード・循環式給水器)、腎毒性物質(NSAID過量・抗凍液・ユリ・特定抗菌薬)の管理。FLUTD予防: ストレス軽減・低マグネシウム食・複数トイレ提供。歯科ケアによる細菌の腎播種予防。

予後

鼻涙管洗浄(23Gカニューレで涙点から生食フラッシュ)で一時的改善が得られる。歯根疾患が原因の場合は歯科処置(臼歯トリミング/抜歯)が根本治療で、歯の管理なしでは再発する。Pasteurella感染には全身抗菌薬(エンロフロキサシン+点眼抗菌薬)を併用。慢性例では鼻涙管のカニュレーション(ステント留置)が有効な場合がある。基礎にある歯科疾患の継続管理で長期予後は良好だが、完治は困難なことが多い (Florin M et al. Vet Ophthalmol 2009;12:350-356)。

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💊 エンロフロキサシン 💊 ドキシサイクリン 💊 アジスロマイシン 💊 クロラムフェニコール

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