涙嚢炎
概要
鼻涙管・涙嚢の炎症/感染で、飼いウサギで最も多い眼疾患の一つ。内眼角から押し出される濃厚で白い練り歯磨き状の眼脂が特徴。多くは歯科疾患の結果として生じる — 上顎切歯・前臼歯の歯根伸長が、歯根尖近傍を走行する鼻涙管を変形・閉塞させる。Pasteurella multocidaがしばしば二次感染を起こす。
主な症状
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原因
鼻涙管の閉塞と二次感染で、最多原因は上顎歯(切歯・前臼歯)の歯根伸長による鼻涙管走行の変形。その他、Pasteurella multocidaやブドウ球菌の上行感染、異物、慢性的な涙石形成。鼻涙管が歯根尖付近で鋭く屈曲する解剖学的特徴がウサギの閉塞素因となる。
病態生理
鼻涙管の機械的閉塞 — 通常は上顎を走行する鼻涙管に伸長した上顎歯根が圧迫を加えることによる — により、閉塞部より上流で涙液がうっ滞する。停滞した分泌物が細菌の過剰増殖(多くはPasteurella)と涙嚢の化膿性炎症を促す。慢性炎症と涙石の蓄積が閉塞を持続させ、感染は二次性結膜炎・角膜疾患へ波及しうる。治癒には感染の制御と、歯科/鼻涙管閉塞の解除の両方が必要である。
治療
ウサギにおける涙嚢炎の治療: 鼻涙管洗浄(生理食塩水)を定期的に実施。歯根伸長が原因の場合は歯科処置(臼歯トリミング)が根本治療。細菌培養・感受性試験に基づく抗菌薬選択: エンロフロキサシン5-10mg/kg PO q12h × 14-28日、またはクロラムフェニコール30-50mg/kg PO q12h。局所点眼: シプロフロキサシン点眼液 q8-12h。疼痛管理: メロキシカム0.3-0.6mg/kg PO/SC q24h。頭部X線/CTで歯根膿瘍を除外。慢性例は鼻涙管ステント留置や外科的造瘻術を検討。再発性の場合は定期的な鼻涙管フラッシュ(2-4週毎)。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • CPパウダー (プレバイオ+プロバイオ+サイリウム): 腸内細菌叢正常化・腸管バリア強化・腸腎連関サポート。サイリウム(水溶性繊維)が腸管運動を促進+プレバイオティクスが有益菌(Lactobacillus/Bifidobacterium)の増殖を支援。IBD、慢性腸症、抗菌薬関連dysbiosis、CKDの尿毒素軽減(インドキシル硫酸低減)に ※CPパウダー: 完全腸閉塞は禁忌
予防
涙嚢炎の予防: 飲水量の増加(ウェットフード、複数の水場)。適切な食事管理。定期的な尿検査。排尿パターンの日常観察。ストレス軽減。
予後
涙嚢炎の予後: 早期治療で予後良好。再発予防には食事管理と定期検査が重要。閉塞性疾患は緊急対応で予後改善。慢性腎疾患はステージにより予後が異なる。
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