鼻涙管閉塞
概要
歯科疾患や慢性涙嚢炎に続発する鼻涙管の閉塞で、持続的な流涙を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける鼻涙管閉塞の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
ウサギにおける鼻涙管閉塞の原因: 歯科疾患や慢性涙嚢炎に続発する鼻涙管の閉塞で、持続的な流涙を引き起こします。
病態生理
鼻涙管閉塞はウサギにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
持続性流涙(epiphora)・眼周囲の湿性皮膚炎で疑う。ウサギの鼻涙管は1本の細い管で急角度に屈曲しており、閉塞しやすい。フルオレセイン色素通過試験で鼻涙管の開通性を評価する。鼻涙管カニュレーションと洗浄で閉塞部位を特定する。頭部X線・CTで上顎切歯/臼歯の歯根伸長による鼻涙管の外部圧迫を確認する(最多原因)。結膜スワブの培養でP. multocidaによる二次感染を検索する。フルオレセイン染色で角膜潰瘍の合併を除外する。造影CT/鼻涙管造影で閉塞部位の正確な同定が可能である。
治療
ウサギにおける鼻涙管閉塞の治療: 1. 鼻涙管フラッシング(第一選択): 22-24G涙管カニューレを下涙点に挿入(ウサギは涙点が1つのみ—犬猫の2つとは異なる)。生食でフラッシュ後、抗菌薬点眼液(ゲンタマイシンまたはシプロフロキサシン)を注入。2-4週間毎にフラッシング反復(再発が多い)。2. 歯科疾患が最多の基礎原因: 上顎切歯または臼歯根の伸長が鼻涙管を圧迫。頭部X線またはCTで歯根評価。3. 歯科原因が確認された場合: 歯科矯正(切歯抜歯または臼歯バリング)が必須。4. 局所抗菌薬: クロラムフェニコール0.5%点眼 q6-8hまたはフシジン酸 q12h(涙嚢炎に対して)。5. 眼周囲被毛のトリミング(慢性湿潤による皮膚炎予防)。6. 難治性: 涙嚢鼻腔吻合術(DCR)—ウサギの微小解剖のため技術的に困難。パスツレラ涙嚢炎疑いの場合はステロイド点眼禁忌。参考: Harcourt-Brown (2002); Florin et al. (2009)。
予防
鼻涙管閉塞の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
鼻涙管閉塞の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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