歯根膿瘍
概要
歯根部の細菌感染により膿瘍が形成され、顎や眼窩に波及することがあります。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける歯根膿瘍の臨床徴候は歯科疾患の種類と進行により多様。歯周病: 口臭・歯肉発赤/腫脹・流涎・採食困難・顔面腫脹(根尖膿瘍時)。不正咬合(草食動物): 流涎・採食速度低下・選択的採食・体重減少・糞便量減少・眼球突出・顎下膿瘍。歯根破折: 採食困難・片側咀嚼・口臭。口腔腫瘍: 口腔内腫瘤・出血・流涎・口臭・採食困難。
原因
ウサギにおける歯根膿瘍の原因: 歯根部の細菌感染により膿瘍が形成され、顎や眼窩に波及することがあります。
病態生理
細菌の増殖に対する好中球の集積と組織融解により、膿(壊死組織・生菌・白血球)が被膜に囲まれて貯留する。緊満・疼痛・発熱を生じ、破裂・排膿するか全身播種すると敗血症に至る。
診断
顔面・下顎の触診で硬い腫脹を確認。頭部CT(推奨)で歯根尖周囲の骨溶解・膿瘍形成の範囲を三次元的に評価。X線(側面・DV・斜位)では歯根尖透過性亢進を確認するが重複影で限界あり。麻酔下口腔内検査で罹患歯の動揺・歯肉瘻管を確認。歯科プローブで歯周ポケット深度を計測。ウサギの膿はケース状で粘稠—切開排膿のみでは治癒せず根治的掻爬+抜歯が必要。培養(嫌気性培養必須)で起因菌同定。CBC・生化学で全身状態評価。
治療
歯根膿瘍の治療: ウサギの膿瘍は特異的 — 濃厚な乾酪様膿(液状ではない)、被包化、排膿不良。CT検査が手術計画に必須(骨浸潤範囲、歯根の関与、鼻涙管・眼窩への近接を判定)。外科的管理(治療の第一選択): 膿瘍被膜と罹患骨の完全デブリードマンを伴う積極的な外科的造袋術。壊死骨を全て掻爬。罹患歯を歯根を含め完全に抜歯(根残遺は再発の温床)。腔内を水酸化カルシウムペースト(抗菌性、骨治癒促進)または抗菌薬含浸PMMAビーズ(ゲンタマイシン/トブラマイシン)で充填。二次治癒のため創を開放し、毎日の創洗浄(希釈クロルヘキシジン0.05%またはTris-EDTA)。全身抗菌薬: プロカインペニシリンG 42,000-84,000 IU/kg SC q48h(第一選択 — 注射用ペニシリンは安全、ウサギ膿瘍に多い嫌気性菌に高い有効性、禁忌は経口ペニシリンのみ)。嫌気性菌カバーにメトロニダゾール20 mg/kg PO q12h追加。代替: エンロフロキサシン10-20 mg/kg PO q12h+メトロニダゾール。膿瘍からの培養感受性(一般的分離菌: Pasteurella multocida、Pseudomonas、嫌気性菌)。抗菌薬期間: 最低4-6週間、しばしば8-12週間。疼痛管理: メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO q24h(長期)。強制給餌: 回復期にクリティカルケア(Oxbow)50-80 mL/kg/日。積極的手術でも再発率30-50% — 飼い主に説明。球後膿瘍で眼球突出の場合: 眼球摘出が必要な場合あり。経口ペニシリン系・クリンダマイシン・リンコマイシンは絶対禁忌(致死性ディスバイオシス)。参考文献: Harcourt-Brown (2014); Tyrrell et al. (2002).
予防
歯根膿瘍の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
歯根膿瘍の予後: 多くの皮膚疾患は適切な治療で予後良好。感染性疾患は抗菌薬/抗真菌薬で治癒可能。アレルギー性は長期管理が必要。
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