鳥ボルナウイルス感染症
概要
鳥ボルナウイルスによるインコの神経系・消化器機能障害。
主な症状
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原因
インコの前胃拡張症(PDD)は鳥ボルナウイルス(avian bornavirus / Parrot bornavirus, PaBV)感染が主因で、糞・尿を介した水平感染が想定される。コニュアやヨウム・ボウシインコなど大型インコに多い。
病態生理
インコの鳥ボルナウイルス(ABV)感染は前胃拡張症(PDD: Proventricular Dilatation Disease)の原因で、ABVが消化管の自律神経叢に感染→リンパ球形質細胞性神経節炎→消化管運動停滞→前胃の著しい拡張。セキセイインコ、オカメインコ、ヨウムで報告。未消化穀粒の糞便排出、進行性削痩が特徴。潜伏期間が数ヶ月〜数年と長い (Heckmann J et al. Emerg Infect Dis 2017;23:2016-2024)。
治療
抗ウイルス療法なし。ABVは前胃拡張症(PDD)を引き起こす — 消化管・中枢神経系のリンパ形質細胞性神経節神経炎。抗炎症療法が基軸: セレコキシブ10-20 mg/kg PO q12-24h(COX-2選択的 — 消化管プロスタグランジンを温存しつつリンパ形質細胞性炎症を抑制);セレコキシブ入手不可時にメロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24hが代替。COX-2阻害薬で劇的な臨床改善を示し年単位で生存する鳥もいる。消化管運動障害にプロキネティクス: メトクロプラミド0.5-1 mg/kg PO/IM q8-12h;シサプリド0.5-1 mg/kg PO q8-12h。補助給餌必須: 消化しやすいフォーミュラ(ハリソンリカバリーフォーミュラ)をクロップチューブでq4-6h;多くのPDD鳥はシード/ペレットを消化できない(糞中の未消化シードが特徴的徴候)。栄養支持: 低繊維・消化しやすい軟食;浸漬ペレットまたは調理穀物。水分補給にSC輸液。体重を毎日モニタリング — 適切な摂取にもかかわらず進行性体重減少は疾患悪化を示す。神経症状(運動失調、痙攣、固有受容覚障害): 支持的管理;ガバペンチン10-15 mg/kg PO q8-12hが神経障害性疼痛に有効な場合あり。非感染鳥からの隔離 — ABVは糞・尿で排出;ただし多くの鳥は無症候性キャリア。
予防
インコにおける鳥ボルナウイルスの予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
適切な抗菌薬療法と感染源制御で予後良好。慢性または深部感染は長期管理が必要。免疫不全の個体はより予後要注意。
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