鳥ボルナウイルス感染症
概要
鳥ボルナウイルスによるインコの神経系・消化器機能障害。
主な症状
原因
病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病原体の毒力と宿主の免疫応答のバランスが発症と重症度を決定する。若齢・老齢個体や免疫抑制状態では感染が重篤化しやすい傾向にある。
病態生理
病原体が宿主の防御機構を突破して組織に定着すると感染が成立する。病原体の毒素産生、組織侵入、細胞内寄生により直接的な組織障害が生じる。同時に宿主の免疫応答(炎症反���・補体活性化・サイトカインカスケード)が活性化されるが、過剰な免疫応答自体が組織損傷の原因となる場合がある。全身性炎症反応症候群(SIRS)から敗血症性ショック・多臓器不全への進行が最も危険な病態である。
治療
抗ウイルス療法なし。ABVは前胃拡張症(PDD)を引き起こす — 消化管・中枢神経系のリンパ形質細胞性神経節神経炎。抗炎症療法が基軸: セレコキシブ10-20 mg/kg PO q12-24h(COX-2選択的 — 消化管プロスタグランジンを温存しつつリンパ形質細胞性炎症を抑制);セレコキシブ入手不可時にメロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24hが代替。COX-2阻害薬で劇的な臨床改善を示し年単位で生存する鳥もいる。消化管運動障害にプロキネティクス: メトクロプラミド0.5-1 mg/kg PO/IM q8-12h;シサプリド0.5-1 mg/kg PO q8-12h。補助給餌必須: 消化しやすいフォーミュラ(ハリソンリカバリーフォーミュラ)をクロップチューブでq4-6h;多くのPDD鳥はシード/ペレットを消化できない(糞中の未消化シードが特徴的徴候)。栄養支持: 低繊維・消化しやすい軟食;浸漬ペレットまたは調理穀物。水分補給にSC輸液。体重を毎日モニタリング — 適切な摂取にもかかわらず進行性体重減少は疾患悪化を示す。神経症状(運動失調、痙攣、固有受容覚障害): 支持的管理;ガバペンチン10-15 mg/kg PO q8-12hが神経障害性疼痛に有効な場合あり。非感染鳥からの隔離 — ABVは糞・尿で排出;ただし多くの鳥は無症候性キャリア。
予防
適切なワクチネーションプログラムの実施、衛生的な飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間の設定が基本的予防策である。過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力の維持、ストレス軽減も重要である。感染動物との接触を避け、汚染された器具や環境の消毒を徹底する。定期的な健康診断による早期発見と早期治療が蔓延防止に不可欠である。
予後
適切な抗菌薬療法と感染源制御で予後良好。慢性または深部感染は長期管理が必要。免疫不全の個体はより予後要注意。
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