重金属中毒(鉛・亜鉛)
概要
鉛や亜鉛の摂取による中毒で、神経、消化器、腎臓の障害を引き起こす。
主な症状
原因
インコにおける重金属中毒(鉛・亜鉛)の原因: 鉛や亜鉛の摂取による中毒で、神経、消化器、腎臓の障害を引き起こす。
病態生理
重金属中毒(鉛・亜鉛)はインコにおける中毒性疾患である。有害物質の経口摂取、吸入、または経皮吸収により中毒障害が生じる。毒素は酵素阻害、受容体干渉、酸化的損傷、直接的な細胞毒性などの特定のメカニズムを通じて細胞プロセスを障害する。標的臓器は毒素により異なるが、肝臓(生体内変換)、腎臓(排泄)、神経系、消化管が一般的である。用量依存的に無症候性変化から劇症型臓器不全まで幅広い影響を及ぼす。
治療
セキセイインコの重金属中毒 — 鉛(Pb)と亜鉛(Zn)が最も多い。発生源: 古いケージの鉛塗料、鉛はんだ、玩具の鉛重り、亜鉛メッキワイヤー、亜鉛メッキ食器/水入れ、1982年以降の米ペニー硬貨(97%亜鉛)、亜鉛留め具付きクリップ玩具。【特徴的な症状】: CNS症状(運動失調、斜頸、けいれん、失明)、吐き戻し、ヘモグロビン尿(鮮紅色の尿酸 — 一部の鳥で鉛中毒のパソグノモニック所見)、ビリベルジン尿、多尿多飲。【緊急安定化】: 温乳酸リンゲルIV/IO 50-100 mL/kg/日 — 利尿で金属排泄促進。酸素補給。けいれんコントロール: ミダゾラム0.5-1 mg/kg IM/IN、ジアゼパム0.5-1 mg/kg IV(緩徐)— 長期ベンゾジアゼピン使用回避(肝毒性)。【診断】: X線(消化管内の金属陰影 — 筋胃/腺胃)、全血鉛値(>20 μg/dLで疑い、>50 μg/dLで診断的)、血中亜鉛値(>2 ppm = 中毒、正常<1 ppm)。【キレート療法(特異的解毒剤)】: CaEDTA 35-50 mg/kg IM q12h×5-10日間 — 注射部位痛/壊死軽減のため生食で10 mg/mLに希釈。キレート開始前に必ず補液(脱水時腎毒性)。D-ペニシラミン30-55 mg/kg PO q12h×7-14日間 — CaEDTAコース後または軽症例、IM注射禁忌時に使用。DMSA(サクシマー)25-35 mg/kg PO q12h×5日間、2-3日休薬、反復 — 新しい経口キレート剤、D-ペニシラミンより安全、慢性曝露に優秀。【内視鏡/外科的除去】: X線で可視な大型金属異物は除去が必要 — そ嚢切開経由内視鏡回収、重度例では筋胃切開。サイリウム/バルクファイバー(1 g/kg PO q12h)が小粒子通過を促進しうる。【支持療法】: 食欲不振時チューブ給餌(Harrison's Recovery Formula)。活性炭1-3 g/kg PO q6h×24時間(金属には効果限定的)。メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q24h。【モニタリング】: キレート中は週1回血中金属値反復測定。腎機能(BUN、尿酸)モニタリング — CaEDTA腎毒性。X線をq3-7日で反復。【予後】: 早期治療で良好。重度神経症状や治療遅延は要注意。参考文献: Dumonceaux G & Harrison GJ (1994); Puschner B & Poppenga RH (2009) J Avian Med Surg; Ritzman TK (2011) J Exot Pet Med. [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート
予防
重金属中毒(鉛・亜鉛)の予防には有毒物質へのアクセス制限・除去、ペット安全な製品の使用、環境からの有毒植物の除去、薬剤・化学物質の適切な保管、屋外アクセス時の監視、種固有の中毒に関する飼い主教育が必要である。
予後
重金属中毒(鉛・亜鉛)の予後: 治療開始時間による。
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