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インコ (Parakeet) 感染症 重度

アスペルギルス症

Aspergillosis / アスペルギルス症

概要

アスペルギルス属真菌による感染症で、主に呼吸器と気嚢を侵す。

主な症状

無気力 呼吸困難 尾の上下動 声の変化 体重減少

原因

インコにおけるアスペルギルス症の原因: 胞子吸入、直接接種、粘膜コロニー形成による真菌感染。免疫抑制、多湿環境、換気不良、長期抗菌薬使用が感受性を高める。

病態生理

アスペルギルス症はインコにおける真菌感染症である。真菌は胞子吸入、直接接種、または粘膜コロニー形成を通じて感染を確立する。菌糸または酵母形態が酵素分解と機械的圧力により組織に侵入し、肉芽腫性炎症反応を惹起する。免疫不全個体は特に感受性が高い。感染は局所にとどまるか、血行性に遠隔臓器へ播種される可能性がある。慢性感染は線維化、組織リモデリング、進行性臓器機能障害を引き起こしうる。

治療

セキセイインコのアスペルギルス症 — 主にA. fumigatus;胞子吸入で呼吸器に感染。リスク因子: 免疫抑制、換気不良、カビた餌/寝具、長期抗菌薬使用、ストレス、栄養不良。急性型(大量胞子曝露、急速悪化)と慢性型(気嚢/肺の肉芽腫病変)の2型。【診断】: X線(気嚢不透明化、肺腫瘤)、CT(単純X線より優秀 — 肉芽腫位置特定)、生検/培養付き内視鏡検査(ゴールドスタンダード — 気嚢・気管肉芽腫病変の確定診断)、Aspergillus抗原ELISA/ガラクトマンナン血清学、PCR、CBC(好中球増多症、単球増多症を伴う白血球増多)。【抗真菌療法(長期 — 最低6週間、多くは3-6ヶ月)】: イトラコナゾール5-10 mg/kg PO q12-24h(多くのインコで第一選択 — 忍容性良好、組織浸透良好)。ボリコナゾール10-18 mg/kg PO q12h(肉芽腫病変への浸透性がより良好; 肝毒性・高用量での神経症状に注意)。テルビナフィン10-15 mg/kg PO q12h(補助、アゾールと相乗効果)。アムホテリシンB — ネブライゼーション5 mg/mL 15分 q12h×7日間(気道局所治療、全身吸収最小)またはクエン気管内投与1 mg/kg生食希釈 週1回。全身アムホテリシンB 1.5 mg/kg IV q48h — 難治性に限定(腎毒性、腎機能モニタリング)。【ネブライゼーション(補助療法)】: F10SC 1:250希釈q12h×15分、またはクロトリマゾール10 mg/mL生食q12h×15分。【外科的デバルキング】: 大型局所肉芽腫に適応 — 内視鏡下除去または外科的切除+全身抗真菌薬併用。【支持療法】: 温暖(28-30°C)、湿潤環境、良好な換気。食欲不振時チューブ給餌(Harrison's Recovery Formula)。重度呼吸障害に酸素補給。【モニタリング】: アゾール療法中は週1回CBC、肝酵素(AST、胆汁酸)。4-6週毎に画像で治療反応評価。【予後】: 慢性播種性は要注意〜不良、気管局所型はやや良好。参考文献: Beernaert LA et al. (2010) J Med Mycol; Tell LA (2005) J Avian Med Surg; Jones MP & Orosz SE (2000) J Avian Med Surg.

予防

アスペルギルス症の予防には適切な環境湿度・温度の維持、良好な換気、過密の回避、定期的な清掃・消毒、罹患個体の隔離、適切な栄養による免疫機能の維持が含まれる。

予後

アスペルギルス症の予後: 多くは治療に良好に反応。

関連する薬品

💊 イトラコナゾール 💊 テルビナフィン 💊 アムホテリシンB 💊 ボリコナゾール 💊 クロトリマゾール

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

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