腎形成不全
概要
腎臓の異常発達で若い犬に早期発症の慢性腎不全を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬における腎形成不全の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
先天性/遺伝性。シーズー・ラサアプソ・ソフトコーテッドウィートンテリア・スタンダードプードルに報告。若齢犬(数ヶ月〜2歳)で多飲多尿・成長不良で発見。BUN/Cre上昇+腎臓の小型化・不整形。
病態生理
胎生期の腎臓の異常発達→未成熟なネフロン・胎児型糸球体の残存→機能的ネフロン数の不足→若齢犬でのCKD早期発症(多飲多尿・成長遅延・嘔吐)。腎生検で胎児型糸球体・原始的尿細管が確認される。
診断
血液検査でBUN/Cre上昇(若齢での腎不全は本疾患を強く疑う)。SDMA上昇は早期腎障害指標。腹部超音波で腎臓の小型化・不整な辺縁・皮髄境界不明瞭を確認。腎生検で組織学的に胎児型腎構造(原始糸球体/尿細管)を確認(確定診断)。尿検査で低比重尿(等張尿)、蛋白尿。ラサ・アプソ、シー・ズー、コッカー・スパニエルに好発。先天性。
治療
先天性腎奇形で根治療法はなく、CKD(慢性腎臓病)としての支持療法が治療の主体。腎臓病用処方食(低リン・低蛋白・高品質蛋白)への移行。リン吸着剤(水酸化アルミニウム30-90 mg/kg/日 食事に混合)で高リン血症を管理。皮下補液(乳酸リンゲル50-100 mL/日)で脱水を予防。ACE阻害薬(ベナゼプリル0.5 mg/kg PO q24h)で糸球体内圧を下げ蛋白尿を軽減。貧血進行時にはダルベポエチン(1 μg/kg SC weekly)またはEPO。好発:シーズー、ラサアプソ、コッカースパニエル、ゴールデンレトリバー(若齢で腎不全進行 — 予後不良)。遺伝子検査による繁殖管理が唯一の予防法。
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予防
好発犬種の繁殖管理。治療は支持療法(CKDの内科管理)。腎移植は限られた施設で実施。
予後
犬における腎形成不全の予後は基礎病態・治療時期・併存疾患により異なる。早期診断と適切な治療介入により多くの症例で良好な予後が期待される。継続的なモニタリングと飼育環境管理が長期予後改善に重要である。重症例・進行例・基礎疾患合併例では予後が悪化することがある。
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