免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
Immune-Mediated Hemolytic Anemia / 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
概要
自己免疫機序により赤血球が破壊される重篤な貧血。犬の免疫介在性疾患で最も多い。中年の雌犬に好発。コッカースパニエル、スプリンガースパニエル、プードル、アイリッシュセッターに多い。致死率20〜40%の緊急疾患。
主な症状
appetite loss
fever
lethargy
rapid breathing
原因
原発性(特発性、70%):自己免疫の異常活性化。二次性(30%):薬物(セファロスポリン等)、感染症(バベシア、エーリキア)、腫瘍(リンパ腫)、ワクチン接種後、蜂刺症。免疫介在性血小板減少症(ITP)との併発=エバンス症候群。
病態生理
IgGまたはIgM自己抗体が赤血球膜に結合→脾臓・肝臓のマクロファージによる血管外溶血(主要)、または補体活性化による血管内溶血。球状赤血球の出現が特徴的。重症例では播種性血管内凝固(DIC)、肺血栓塞栓症(PTE)を合併し致死的。赤血球自己凝集が診断的。
治療
免疫抑制療法:プレドニゾロン(2mg/kg/日→漸減、4〜6ヶ月かけて減量)。難治例:ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、アザチオプリンを併用。支持療法:輸血(PCV<15%)、酸素療法、輸液。血栓予防:クロピドグレル+低用量アスピリン。DIC時はヘパリン。脾摘:薬物抵抗性の場合に検討。
予防
確立された予防法なし。既往犬ではワクチン接種のリスク/ベネフィット評価が必要。
予後
初回発症の生存率60〜80%(適切な治療下)。致死率20〜40%。DIC・PTE合併は予後不良。再発率は30〜50%。免疫抑制剤の長期投与が必要な場合が多い。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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