肥大性骨異栄養症(重症型)
概要
急速に成長する大型犬の子犬に見られるHODの重症型で、高熱と著しい骨の痛みを伴います。
主な症状
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原因
原因不明だが、CDVワクチン接種との時間的関連が報告(因果関係は不確定)。急速な成長・過剰栄養(高カルシウム食)が悪化因子。大型犬・超大型犬の子犬(2〜8ヶ月齢)に好発:ワイマラナー、グレートデーン、アイリッシュセッター。
病態生理
長骨の骨端線(成長板)の骨化障害→骨端線近位の骨幹端部の壊死性炎症→新生骨の不規則な沈着。X線で骨端線に沿った「二重線」(double physis line)が特徴的。重症型は高熱(40〜41℃)・重度の疼痛・食欲廃絶・骨の永続的変形を伴い、致死的となることもある。
治療
大型犬幼犬(2-8ヶ月齢)の骨幹端の炎症性疾患。自己限定性だが重症例は生命の危険。重症例の治療: プレドニゾロン1-2 mg/kg PO q12h × 3-5日 → 1-2週で漸減(劇的に有効)。 — 発熱・食欲不振・疼痛が24-48時間で著明改善。疼痛管理: NSAIDs: メロキシカム0.1 mg/kg PO q24h(ステロイドと併用禁忌)。 ガバペンチン5-10 mg/kg PO q8-12h(神経性疼痛)。 オピオイド(入院時): ブプレノルフィン0.01-0.02 mg/kg IV/IM q6-8h。支持療法: 輸液(脱水時)、栄養管理(食欲不振時は経管栄養)。 柔らかい寝床。食事: 大型犬用パピーフード(過剰カルシウム/カロリー回避)。 サプリメント追加は禁忌(カルシウム過剰がHOD悪化の一因)。X線: 長骨骨幹端の二重線(double physis line)= irregular radiolucent zone。好発: ワイマラナー(最多 — ワクチン関連説あり)、グレートデーン、アイリッシュセッター。鑑別: 骨肉腫(成犬)、骨髄炎、骨折。予後: 軽度は自己限定性(数週間で回復)。重症例でもステロイド反応良好。 ワイマラナーの壊死性骨炎(多発性 — 予後不良)は別疾患。
予防
大型犬子犬の適正な栄養管理(過剰カルシウム・過剰カロリーの回避)。重症型はNSAIDs+輸液・栄養サポート。コルチコステロイドは免疫介在性の要素がある重症例で使用されることがある。
予後
犬における肥大性骨異栄養症(重症型)の多くは原因栄養素不均衡の是正により良好予後。早期に適切な食事矯正とサプリメント補充開始で多くの臨床症状は可逆的。急性ビタミンC欠乏(モルモット壊血病)は補給開始後24-48時間で臨床改善開始。代謝性骨疾患(MBD): 早期介入で進行抑制可能だが、骨格異常の完全回復は困難。重度の慢性栄養失調による発達異常・臓器障害は不可逆的な場合あり。飼育者教育による再発防止が長期予後の鍵。
関連する薬品
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