胃ポリープ
概要
胃粘膜の良性腫瘤で、大きい場合は慢性嘔吐や消化管出血を引き起こすことがあります。
主な症状
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原因
犬における胃ポリープの原因は感染性、食事性、免疫介在性、機械的、機能的要因に分類される。感染性(細菌・ウイルス・寄生虫・原虫)、食事性(不適切な食材・異物・急激な食事変更・食物アレルギー)、免疫介在性(炎症性腸疾患IBD)、機械的(腸閉塞・腸捻転・腫瘍)、機能的(運動機能障害)が含まれる。草食動物では繊維質不足と急激な食餌変更が消化管うっ滞の主原因となり、種特異的な栄養要求の理解が重要。ストレス因子(環境変化・新規動物導入)も発症に寄与する。
病態生理
犬における胃ポリープの病態生理は消化管の運動・分泌・吸収・粘膜バリア機能の破綻により展開する。炎症性・潰瘍性病変では粘膜傷害→蛋白漏出・出血・吸収不良→低アルブミン血症・体重減少を生じる。閉塞・うっ滞(イレウス・GI stasis・GDV)では内容物貯留→腸管拡張・血流障害・細菌異常増殖→内毒素血症・脱水・電解質異常に進展する。膵・肝胆道病変では消化酵素・胆汁うっ滞による自己消化・全身炎症反応を惹起する。重症例では循環血液量減少性ショック・敗血症・多臓器不全に至る。
治療
内視鏡的ポリープ切除(endoscopic polypectomy)が第一選択。有茎性ポリープはスネアで基部から通電切除、小型は鉗子で摘除。大型(>2 cm)または広基性ポリープは内視鏡での安全な切除が困難なため、外科的胃切開(gastrotomy)で切除。摘出組織の病理組織検査が必須:過形成性(良性・最多)、腺腫性(悪性転化リスクあり)、炎症性を鑑別。PPI(オメプラゾール1 mg/kg PO q24h)で胃酸分泌を抑制し粘膜治癒を促進。腺腫性ポリープは再発・悪性転化のリスクがあるため、3-6ヶ月ごとの定期内視鏡でモニタリング。ヘリコバクター感染との関連が示唆されており、陽性例にはトリプル除菌療法を検討。
予防
犬における胃ポリープの予防は栄養管理と環境管理が中心。バランスの取れた高品質食、急激な食事変更回避、食物アレルゲンの特定と除去食。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー): 高繊維チモシー乾草を給与量の80%以上、ペレット過剰摂取回避、新鮮野菜の段階的導入。異物誤食予防(玩具・包装材・植物の管理)。定期的駆虫、ストレス管理、適切なワクチネーション。
予後
犬における胃ポリープの予後は原因病態・脱水と電解質異常の程度・治療開始時期により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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