三叉神経炎
概要
三叉神経の特発性炎症で、急性の下顎下垂と口を閉じられなくなる症状を引き起こします。
主な症状
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原因
犬における三叉神経炎の原因は多岐にわたり、感染性(脳炎・髄膜炎)、免疫介在性、変性性、腫瘍性、外傷性、血管性、代謝性、毒性、遺伝性、特発性(特発性てんかん)に分類される。品種特異的好発性(コリーのCDS、ボーダーコリーのストーム不安、特発性てんかんの素因犬種)も重要な背景因子。急性発症は外傷・血管障害・中毒を、慢性進行性は変性・腫瘍・代謝性を、再発性発作は特発性てんかんを示唆する。
病態生理
三叉神経炎は三叉神経の急性特発性炎症(脱髄性神経炎)で、急性発症の両側性下顎下垂(開口不能)が特徴的。口を閉じられず流涎・飲食困難を呈するが意識清明で全身状態は保たれる。全犬種・全年齢で発生しうる。MRIで三叉神経の造影増強を認めることがある。特異的治療はなく、流動食による栄養補助と脱水予防の支持療法を行う。2-4週間で自然回復するのが一般的で予後良好。
治療
犬における三叉神経炎の治療には鎮静または麻酔下での歯科検査が必要である。不正咬合は種と重症度に応じて歯のトリミング、研磨、抜歯が必要となる。根尖膿瘍には排膿、デブリードマン、全身性抗菌薬が必要である。歯周病治療にはスケーリング、研磨、重度罹患歯の抜歯を含む。種に適した鎮痛薬による疼痛管理が不可欠である。食事の調整により回復を促進し再発を予防する。
予防
犬における三叉神経炎の予防は原因病態によって異なる。感染性脳炎: 適切なワクチネーション(特に狂犬病・ジステンパー・FIP予防)と媒介動物制御。特発性てんかん: 遺伝性素因品種の繁殖管理。認知機能不全症候群: 知的刺激の提供、適度な運動、抗酸化サプリメント、SAMe等の補完療法。外傷性脳脊髄損傷: 交通事故・落下事故予防、適切な飼育環境。中毒予防: 環境管理。
予後
犬における三叉神経炎の予後は病因と神経学的重症度(特に深部痛覚の有無)により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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