核硬化症
概要
加齢による水晶体の硬化で青みがかった曇りが生じ、白内障と間違われやすいです。
主な症状
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臨床徴候
犬における核硬化症の臨床徴候は罹患部位(角膜・結膜・前房・水晶体・網膜)と病態により異なる。結膜炎: 結膜充血・分泌物・流涙・眼瞼痙攣。角膜潰瘍: 流涙・眼瞼痙攣・羞明・角膜混濁(蛍光染色陽性)。緑内障: 急性眼痛・角膜浮腫・散瞳・眼球膨大・視覚消失。白内障: 水晶体混濁による進行性視覚障害。網膜疾患: 夜盲先行の進行性視覚障害(PRA等)・急性視覚消失(網膜剥離)。
原因
加齢に伴う生理的変化で、水晶体線維が生涯にわたり中心部(核)へ圧縮・蓄積することで核が硬化する。概ね6〜8歳以降のほぼ全ての犬にみられる正常な老化現象であり、病的な白内障とは異なる。
病態生理
水晶体は外側で新たな線維を産生し続け、古い線維が核へ向けて圧縮されるため、加齢とともに核の密度が増す。これにより瞳孔が青灰色にくもって見えるが、線維配列は保たれるため光は透過し視覚は概ね維持される(線維が混濁して不透明となり視覚を障害する白内障とは異なる)。鑑別には散瞳下での眼底の透見性確認が有用で、臨床的介入を要さない。
診断
6歳以上の犬で左右対称性の水晶体核部の青灰色混濁。散瞳下で直接検眼鏡にて眼底透見可能(白内障との重要な鑑別点)。細隙灯検査で核部の圧縮硬化を確認。視力は通常維持される。加齢性の水晶体線維圧縮による正常な変化。白内障(眼底透見不能、視力低下)との鑑別が最も重要。治療不要だが飼い主への説明(白内障ではない)が必要。
治療
加齢性変化であり治療不要。水晶体核の圧縮・硬化による青白い外観。6-8歳以上の犬で生理的に発生。視力への影響は最小限(軽度の近視化)。白内障との鑑別が最も重要: 核硬化 — 直接検眼鏡で網膜タペタム反射が透見可能。 白内障 — 水晶体混濁で網膜が透見不可能。スリットランプ検査: 核硬化は水晶体核のみの均一な混濁、皮質は透明。 白内障は皮質・核・嚢の不均一な混濁。定期的眼科検査: 年1回(核硬化自体は進行しても視力に重大な影響なし)。 白内障への移行をモニタリング(特にDM犬で白内障リスク高)。飼い主への説明: 良性の加齢変化であり、手術は不要。
予防
犬における核硬化症の予防は感染症対策と早期発見が中心。感染性結膜炎: ワクチネーション(FHV-1・FCV)と感染猫との接触回避。角膜潰瘍: 短頭種の眼球突出予防(眼球保護環境)、グルーミング時の眼科ケア。白内障: 糖尿病の良好な血糖管理、遺伝性品種の繁殖管理、抗酸化物質補給。緑内障: 素因品種の定期的眼圧測定。全動物で年1回以上の眼科検診。
予後
犬における核硬化症の予後は病変の部位・進行度と治療開始時期、視覚温存の可否により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
その他の他の疾患(犬)
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