耳内異物(草の実等)
概要
草の実等が外耳道に入り込み、急性の痛みと頭を振る行動を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬における耳内異物(草の実等)の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
犬の消化管異物は消化できない物体(玩具・布・骨・植物繊維・毛球)を摂取し、胃・腸管に停滞または閉塞を起こす。異食・退屈・食餌管理不良が誘因。線状異物は腸重積・穿孔のリスクが高い。
病態生理
異物が管腔を閉塞すると口側の拡張・嘔吐・脱水・電解質異常を招き、圧迫壊死や線状異物の切創で腸穿孔・腹膜炎に至る外科的緊急疾患。
診断
急性の頭部振盪、耳搔き、頭部傾斜。耳鏡検査で異物(植物芒刺/awn、毛、昆虫等)を直視確認。鼓膜の評価が必須(異物が中耳に穿通した場合の二次的中耳炎リスク)。二次的外耳炎の合併評価: 耳垢細胞診で細菌/酵母を確認。全身麻酔下での摘出が安全(深部異物の場合)。ビデオオトスコープで詳細な可視化。草むら散歩後の発症が多い(ノギ: foxtail/awn)。反復性の場合は基礎疾患を検索。
治療
異物除去が根治的。全身麻酔下が推奨(疼痛・頭部の動きによる鼓膜損傷リスク)。除去方法: ビデオオトスコープ(最良 — 拡大視野+精密操作)。 耳鏡+鰐口鉗子(従来法)。吸引(砂・小さな種子)。 洗浄による排出(温生理食塩水 — 鼓膜健全時のみ)。異物の種類: 草の実/ノギ(foxtail — 最多、深部迷入リスク)、 昆虫、砂、綿棒片、植物片。鼓膜評価: 異物除去後に必ず鼓膜の健全性を確認。 穿孔時: 耳毒性薬(アミノグリコシド点耳薬)使用禁忌。術後: 抗菌/抗炎症点耳薬(クロルヘキシジン+ステロイド)7-14日。 二次的外耳炎の治療。再診7日後(治癒確認)。合併症: 中耳炎(鼓膜穿孔時)、前庭症状、顔面神経麻痺。 foxtail迷入 → 耳下腺膿瘍・中耳骨溶解の可能性。CT推奨。予防: 草地散歩後の耳チェック。垂れ耳犬種で特に注意。
予防
犬における耳内異物(草の実等)の予防は栄養管理と環境管理が中心。バランスの取れた高品質食、急激な食事変更回避、食物アレルゲンの特定と除去食。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー): 高繊維チモシー乾草を給与量の80%以上、ペレット過剰摂取回避、新鮮野菜の段階的導入。異物誤食予防(玩具・包装材・植物の管理)。定期的駆虫、ストレス管理、適切なワクチネーション。
予後
犬における耳内異物(草の実等)の予後は基礎病態・重症度・治療開始時期により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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