耳ダニ感染症(ミミヒゼンダニ)
概要
子犬に多い高伝染性の耳寄生虫で、激しい痒みと暗色分泌物を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬における耳ダニ感染症(ミミヒゼンダニ)の臨床徴候は寄生虫種・寄生部位・寄生数により異なる。消化管寄生では下痢・嘔吐・体重減少・腹部膨満、外部寄生では掻痒・脱毛・皮膚炎、心血管寄生では咳・運動不耐性・腹水、血液寄生では貧血・発熱・元気消失を呈する。幼若・栄養不良個体では重症化しやすく、慢性経過では発育不良が顕著となる。
原因
Otodectes cynotis。感染動物との直接接触で伝播(高伝染性)。猫からの感染も多い。子犬・多頭飼育環境・ブリーダー犬舎に好発。
病態生理
Otodectes cynotisが外耳道内で増殖→耳道上皮の刺激→暗褐色のコーヒー粕様分泌物(ダニの糞・耳垢・炎症産物)→掻痒→自傷(耳介血腫のリスク)。重症例では鼓膜穿孔→中耳炎。過敏反応で掻痒が増幅。
診断
激しい耳掻痒、頭部振盪、暗褐色~黒色のコーヒー残渣様耳垢。耳垢の直接鏡検(ミネラルオイル法)でOtodectes cynotis成虫/幼虫/虫卵を確認。耳鏡検査で外耳道内に白色の運動する虫体を直視可能。二次的細菌/酵母性外耳炎の合併評価(耳垢細胞診)。同居動物への伝播が高い。外耳以外の異所性感染(頸部、臀部)にも注意。
治療
犬における耳ダニ感染症(ミミヒゼンダニ)の治療には、同定された寄生虫に応じた適切な駆虫薬が必要である。一部の駆虫薬は特定の種に有毒であるため、種に適した用量設定が重要である。全てのライフステージを排除するため複数回投与が必要な場合がある。環境消毒と接触動物の治療で再感染を防止する。貧血、脱水、栄養失調などの二次的合併症に対する支持療法を行う。
予防
イソキサゾリン系駆虫薬(フルララネル等)の通年投与、新規導入犬の検査、感染犬の隔離・同居動物全頭の同時治療。
予後
犬における耳ダニ感染症(ミミヒゼンダニ)の予後は寄生虫種・寄生数・宿主免疫状態・治療反応性により異なる。早期発見と適切な駆虫薬投与により多くの寄生虫症は良好な予後だが、重度感染・心血管寄生虫・血液寄生虫では治療反応が遅延する。再感染予防のための環境管理・媒介動物制御の継続が長期予後を左右する。免疫不全状態では治療抵抗性となるため、基礎疾患管理も並行する。
関連する薬品
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