心タンポナーデ
Cardiac Tamponade / 心タンポナーデ
概要
心嚢液貯留による心臓圧迫・拡張障害・心拍出量低下をきたす致死的緊急症。Beck三徴(頸静脈怒張・低血圧・心音減弱)が特徴。
主な症状
虚脱・失神
呼吸困難
過度のパンティング
無気力
頻呼吸
原因
血管肉腫(右心房・脾臓、50-60%)、特発性心膜炎(ゴールデンレトリバーに多い)、心基部腫瘍(化学受容体腫)、中皮腫、凝固障害(殺鼠剤)、低アルブミン血症。
病態生理
心嚢腔への急速な液体貯留→心嚢内圧が心房圧を超過→心臓の拡張障害→心拍出量の急激な低下→静脈還流障害→Beck三徴(頸静脈怒張・低血圧・心音減弱)→心原性ショック→心停止。急性(血管肉腫破裂・心房裂傷)では少量の液体でも致命的。心嚢穿刺(pericardiocentesis)が緊急的治療。
治療
緊急心嚢穿刺:左側臥位、第5肋間軟骨接合部、18G over-the-needle カテーテル、ECGガイド下(心室性期外収縮発生時は針を引く)。ゆっくり排液。液は細胞診・培養・PCV・TP検査へ。排液後即座に心拍出量改善。再発:心嚢切除術(特発性・腫瘍性)。血管肉腫:脾臓摘出+ドキソルビシンで中央生存期間4-6ヶ月。特発性心膜炎:心嚢切除後1-2年生存可能。
予防
素因犬種(ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード、ラブラドール)の定期心エコー検診。脾臓血管肉腫素因犬種の定期腹部エコー。
予後
原因による:特発性心膜炎は心嚢切除後良好、血管肉腫は慎重(治療で4-6ヶ月)、心基部腫瘍は中等度(18-24ヶ月)。心嚢穿刺直後の生存率>90%。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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