猫肛門嚢疾患
概要
肛門腺の嵌頓、感染、膿瘍化により肛門周囲の不快感を引き起こします。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す猫の他の疾患を確認できます
臨床徴候
猫肛門嚢疾患の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
猫における猫肛門嚢疾患の原因: 肛門腺の嵌頓、感染、膿瘍化により肛門周囲の不快感を引き起こします。
病態生理
猫肛門嚢疾患は肛門嚢(肛門腺)の嵌頓・感染・膿瘍化により肛門周囲の疼痛・不快感を引き起こす。猫では犬ほど頻度は高くないが、中高齢の肥満猫・軟便傾向の猫で発症しやすい。分泌液の貯留→細菌感染→膿瘍化→破裂の経過を辿る。テネスムス・肛門周囲舐舵・臀部を床に擦る動作が主徴。用手的圧搾で排泄し、感染例は切開排膿+洗浄+抗菌薬。再発性の場合は肛門嚢摘出術(sacculectomy)を検討。肛門嚢腺癌との鑑別が重要。
診断
肛門周囲の舐め・しきりにお尻を地面に擦る動作・排便時の疼痛を認める。直腸指診で肛門嚢の腫大・硬化・疼痛を確認し、分泌物の性状を評価(正常=黄褐色液状、感染=膿性・悪臭)。肛門嚢破裂時は肛門傍の皮膚瘻孔と排膿を認める。分泌物の細菌培養。肛門嚢腫瘤が触知される場合はFNA細胞診で肛門嚢腺癌を除外。会陰ヘルニア、肛門周囲瘻との鑑別が必要。
治療
猫における猫肛門嚢疾患の治療には、可能であれば培養感受性試験に基づく標的抗菌薬療法が必要である。結果待ちの間は経験的広域抗菌薬を開始する。抗菌薬治療期間は感染の排除と耐性予防に十分な期間とする。膿瘍や壊死組織には外科的排膿またはデブリードマンが必要な場合がある。支持療法として輸液、鎮痛薬、抗炎症薬、栄養サポートを行う。
予防
猫肛門嚢疾患の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
猫肛門嚢疾患の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
消化器の他の疾患(猫)
VetDictで猫の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。