便秘・宿便
概要
正常な排便ができない状態で、重度の宿便に進行し医療介入が必要になることがあります。
主な症状
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臨床徴候
猫における便秘・宿便の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
猫における便秘・宿便の原因: 正常な排便ができない状態で、重度の宿便に進行し医療介入が必要になることがあります。
病態生理
便秘・宿便は猫における消化器疾患である。粘膜の完全性、運動性、分泌機能、またはマイクロバイオームバランスの障害を伴う。炎症により上皮バリアが損傷し、吸収不良、体液喪失、細菌トランスロケーションの可能性がある。運動障害(低運動性/うっ滞または亢進)により通過時間と消化効率が変化する。後腸発酵動物では盲腸/結腸フローラの破壊が致死的ディスバイオーシスと腸管毒素症を引き起こしうる。
診断
排便困難、しぶり、少量硬便、食欲低下。直腸内指診で硬い宿便を確認。腹部X線で結腸内の宿便貯留と結腸拡張度を評価。骨盤X線で骨盤狭窄を除外。生化学: 低K(腸運動低下の原因/結果)、BUN/Cre(脱水評価)、Ca。T4測定(甲状腺機能低下は稀)。神経学的検査(馬尾症候群、仙骨神経障害)。巨大結腸への進展評価。肥満、脱水、運動不足、食物繊維不足が素因。
治療
猫における便秘・宿便の治療: 軽度〜中等度: ラクツロース0.5mL/kg PO q8-12h(軟便になるまで調整)。ポリエチレングリコール(MiraLAX)1/4-1/2tsp q12-24h PO混餌。輸液療法(皮下補液 100-150mL/日)で水和維持。高繊維食またはウェットフード中心の食事管理。【可溶性食物繊維補充】サイリウム(オオバコ種子殻)0.1-0.6 g/kg/日 PO 混餌(約1/4-1/2 tsp/5kg猫、必ず50mL水/1gと併用)、水分と混合後10分程度置いてから給与。CPパウダー(サイリウム+プレバイオティクス+プロバイオティクス配合、caninevet.jp/Equine & Canine Vet Nutrition)等の配合製剤は、可溶性繊維で便容積・水分増加、プロバイオティクスで腸内細菌叢支援、軟便化と排便促進が期待できる(Suchodolski et al. Vet Clin NAm SAP 2011のプロバイオティクス総説参照)。水分摂取が不十分な猫には慎重投与。重度宿便: 全身麻酔下で温水浣腸(DSS 5-10mL q12h注腸)+用手摘便。蠕動促進にシサプリド2.5-5mg/頭 PO q8-12h(米国では調剤薬局から)。疼痛管理: ブプレノルフィン0.01-0.03mg/kg 口腔粘膜 q6-8h。難治性巨大結腸症: 結腸亜全摘術を検討。モニタリング: 排便頻度・便性状・腹部X線を定期的に評価。
予防
便秘・宿便の予防: 適切な食事管理(急激な食事変更を避ける)。繊維質の適切な摂取。異物誤食の予防。定期的な糞便検査。
予後
便秘・宿便の予後: 急性消化器疾患は多くが治療に良好に反応。閉塞性疾患は早期外科介入で予後良好。慢性疾患は食事管理で長期管理可能。
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