← トップへ戻る
猫 (Cat) 消化器 中等度

猫多嚢胞性肝疾患

Feline Polycystic Liver Disease / 猫多嚢胞性肝疾患

概要

多発性肝嚢胞で、ペルシャ猫等で多嚢胞性腎疾患と併発することが多いです。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す猫の他の疾患を確認できます

臨床徴候

猫多嚢胞性肝疾患の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。

原因

猫における猫多嚢胞性肝疾患の原因: 多発性肝嚢胞で、ペルシャ猫等で多嚢胞性腎疾患と併発することが多いです。

病態生理

胆管板奇形(ductal plate malformation)に由来する先天性の肝内多発嚢胞で、ペルシャ系などでPKD1遺伝子変異に関連し腎の多嚢胞(多発性嚢胞腎)を併発することがある。嚢胞が肝実質を置換・圧排して進行すると肝腫大や、まれに門脈圧亢進・肝機能障害を生じるが、多くは無症候で偶発的に発見される。嚢胞内感染や破裂、胆管閉塞を来すと有症状となる。肝細胞傷害が進めば代謝・合成・解毒機能が低下し、線維化・肝不全に至りうる。

診断

猫多嚢胞性肝疾患の診断は、腹部超音波検査で肝実質内に多数の嚢胞(無エコー、薄壁、円形〜楕円形)を認めることが中心となる。ペルシャ・ヒマラヤン等の好発品種では常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の肝病変として腎嚢胞と併発することが多く、両腎の超音波検査も必須である。CT/MRIで嚢胞の分布と肝実質への圧排を評価する。血液生化学では重症例で肝酵素(ALP/GGT)上昇、ビリルビン上昇を認める。嚢胞液穿刺で変性嚢胞液(透明〜黄色粘稠液、低細胞性)を確認する。PKD1遺伝子検査で遺伝的素因を確認する。胆管嚢胞腺腫との鑑別では造影CTが有用である。

治療

1) 多くは偶発的所見で無症状の場合は経過観察。腹部超音波で6-12ヶ月毎にサイズモニタリング。2) 肝機能障害時: ウルソデオキシコール酸10-15mg/kg PO q24h(胆汁うっ滞改善)、SAMe 90mg/cat PO q24h(肝保護)。3) 巨大嚢胞による圧迫症状: 超音波ガイド下経皮穿刺ドレナージ。再発性の場合はエタノール硬化療法。4) PKD(多嚢胞性腎疾患)の併発評価: 腎機能検査(BUN、Cre、SDMA)、腎臓超音波。ペルシャ猫ではPKD遺伝子検査。5) 肝酵素の定期モニタリング。外科的嚢胞摘出は症状が重度の場合のみ。

予防

猫多嚢胞性肝疾患の予防: 適切な食事管理。肝毒性のある薬物・植物の回避。定期的な血液検査(肝酵素)。適切な体重管理。

予後

猫多嚢胞性肝疾患の予後: 原因と重症度による。急性肝疾患は早期治療で回復可能。慢性肝疾患は長期管理で QOL 維持可能。肝不全は予後不良。

関連する薬品

💊 ウルソデオキシコール酸

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

消化器の他の疾患(猫)

猫の全疾患を見る →

VetDictで猫の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

消化管リンパ腫 (共通4症状) 巨大結腸症 (共通4症状) 肥満細胞腫(内臓/脾臓型) (共通4症状) 肝細胞癌 (共通4症状) 子宮蓄膿症 (共通4症状) 猫肝炎 (共通4症状) 猫慢性肝疾患 (共通4症状) 猫胃運動障害 (共通4症状)
📋 猫の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。