ロタウイルス性腸炎
概要
ロタウイルスによるウイルス性腸炎で、主に若いウサギに発症し、水様性下痢と脱水を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおけるロタウイルス腸炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
ウサギにおけるロタウイルス腸炎の原因: ウイルス病原体による感染。直接接触、飛沫・空気感染、媒介物、ベクター媒介が感染経路。免疫抑制、ストレス、過密飼育、ワクチン未接種が感受性を高める。
病態生理
ウサギのロタウイルス腸炎はロタウイルス(主にGroup A)による急性水様性下痢で、離乳期(4-6週齢)の子ウサギに好発する。ウイルスは小腸絨毛上皮細胞に感染→絨毛先端の成熟吸収細胞の壊死→吸収面積の減少→浸透圧性下痢→脱水。成ウサギは通常無症候だが、ウイルスを排出してコロニー内の感染源となる。Clostridium spp.やE. coliの二次感染が重症化に関与。ストレス(離乳、輸送、急な食事変更)が発症の引き金 (DiGiacomo RF & Thouless ME. Lab Anim Sci 1986;36:153-156)。
診断
幼若ウサギ(離乳期前後)の急性水様性下痢から疑診。糞便ELISA迅速キットまたはEM(電子顕微鏡)でロタウイルス粒子を検出。RT-PCRで確定。CBC/生化学で脱水所見(PCV上昇、BUN上昇)。腹部X線で腸管ガス貯留。ウサギは後腸発酵動物であり離乳期の盲腸細菌叢未確立が重症化因子。鑑別にコクシジウム、大腸菌症、コロナウイルスを考慮。
治療
ロタウイルス腸炎は主に離乳期の若齢ウサギ(3-8週齢)に罹患し、免疫能正常個体では自己限定性 — 治療は支持的。積極的な水分補給が治療の基盤: 軽度-中等度にはSC加温LRS 50-100 mL/kg/日分割投与、重度脱水の仔ウサギにはIV晶質液(初期10 mL/kg/hr)。哺乳間に経口電解質液で経口補水。Critical Care(Oxbow)またはKMR(子猫用ミルクリプレーサー)でq2-4hシリンジ給餌(栄養維持とGI運動維持)。コレスチラミン2g/20mL水 PO q24h 毒素結合剤として(二次的クロストリジウム腸管毒素血症リスク軽減 — 主要死因)。メトクロプラミド0.5-1.0 mg/kg SC q6-8hでGI運動サポート。経口ペニシリン・リンコマイシン・クリンダマイシン・エリスロマイシンは絶対禁忌(致死的腸内細菌叢破壊)。二次感染疑い: TMS 30 mg/kg PO q12hまたはエンロフロキサシン10-20 mg/kg PO q12h。メロキシカム0.3-0.5 mg/kg SC q24h 腹痛に。体温維持のため積極的加温(新生仔は急速に体温低下)。罹患仔の隔離 — ロタウイルスは糞口経路で高度に伝染性。環境除染: ロタウイルスは多くの消毒薬に耐性、70%エタノールまたは第四級アンモニウム化合物が有効。ウサギ特異的ロタウイルスワクチンは未利用可能。参考文献: Harcourt-Brown (2002), Quesenberry & Carpenter 4th ed.
予防
ロタウイルス腸炎の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
ロタウイルス性腸炎の予後: ウイルスの種類と宿主の免疫状態による。ワクチン予防可能な疾患は予防が最善。支持療法で多くが回復可能。
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